カテゴリ:ロンドン・エンターテインメント( 21 )

土曜の夜は、はるばる日本からやってきた鼓童のコンサートに行ってきました。

和太鼓のスーパー集団、鼓童ですが、わたしは今回が初ライブ。
一緒に行った夫も友人のカナダ人夫婦も鼓童のステージを観たことがあり、日本人のわたしだけが初体験という不思議な夜でもありました。

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鼓童が扱うのは和太鼓だけかと思いきや、大小さまざまな大きさの和太鼓に加えて、日本の横笛やチベット仏教に使われるような和風シンバルやラッパみたいな楽器も入っていて、想像以上に幅の広い演奏でした。

キレのある体の動き、まるで手品のような鮮やかなバチさばき、神に捧げる儀式のような雰囲気もあって、単なる演奏というより、すばらしいアートパフォーマンス。

太鼓系はどの文化でも興奮するものですが、鼓童の演奏は、音階がないはずの太鼓が歌っているように感じるのです。
まるで演奏者の熱い心意気を表現しているかのようなパフォーマンスで、大感激、大興奮の2時間でした。

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曲目もバラエティーに飛んでいて、和太鼓の本領発揮とばかりに激しく鳴り響くもの、にぎやかな夏祭りを思わせる楽しいもの、桃の花が咲く田舎の春のようなのどかなものなどなど。
どれも懐かしいリズムや曲調で、自分の中の日本人が一気に目が覚めた気分でした。
こんな時だからこそ、子どもの頃からなじんだものに触れられて心が落ち着いた気がします。
海外で暮らすようになってから、自分の根っこをしっかり確かめることで、今の自分がもっと強くなれると感じるようになりました。

そして鼓童って女性もいるんですね。
わたしはずっと男だらけの太鼓集団だと思っていたのです。
大きな太鼓の男らしい演奏にも圧倒されましたが、キリッとした女性が大きな太鼓を肩で担いでノリノリで演奏する姿はすごくすごくかっこよかったです。

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(サウスバンクから夜のテムズ川を眺める風景です。
向こう岸に光る照明は、チャリングクロス駅。
この照明を見ると、いつもオールディーズの古いラジオを思い出します)

こんな時なので、やはりコンサート会場は人が少なめ。
いつもなら人でごったがえすようなロビーも、座る席が見つかるくらい空いていました。
スコットランドでは500人以上の集まりは禁止されたようですが、ロンドンのあるイングランドではまだ禁止されていないのです。

コンサート自体もやはり空席が目立ったものの、3分の2以上は入っていていたでしょうか。
2週間ぐらい前に同じホールでクラシックのコンサートに行った時には、もっと人がいなかった気がします。
これも鼓童の人気かな。

お客さんは意外に日本人率が低かった気がします。
日本人が見ると、また格別の味わいがあると思うので、もし機会があったらぜひ!
心の中で懐かしさと興奮と日本人としての心意気が盛り上がること、請け合いです。

最後はスタンディングオベーションで口笛ヒューヒューの大盛り上がり。
あー、いい夜でした!


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by londonsmile | 2020-03-16 18:16 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(0)
おかげさまで元気を取り戻してきました。

また少しずつアップしていきますね。


金曜の夜は、翌日から始まる話題のヴィクトリア&アルバート美術館Kimono: Kyoto toCatwalk展の内覧に行ってきました。

金曜は夜10時まで開いているのですが、夜ならではのお楽しみも経験できて、思いがけなく楽しい夜遊びになりました。


この美術館では、会員は特別展の初日に先立って内覧できることになっているのですが、わたしはなにせのんびり屋なので、これまでに行ったことはありませんでした。

今回はたまたまキュレーターのトークも予約したという友人に誘ってもらったので、初めて行ってみることになったのです。

まずは夕方にミュージアムショップで待ち合わせ、メンバーズルームで軽い食事。

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Kimono展の特別メニューとして和食らしきものがありました。

「そばサラダ」「酒とみりんで漬けたラム」「大吟醸」はわかるけど、デザートの「ココナツ、パパイヤ、マンゴー、パッションフルーツの茶碗蒸し」ってなんだろう?笑

和食とは書いてないから、日本にインスパイアされたもの、なんでしょうね。

それもまたよし!

 

そしてキュレーターのトークへ。

このレクチャールームには初めて入りましたが、装飾がものすごく美しいでびっくり。

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ステージ上のドーム。

淡い紫色が美しく、デザインと調和していてすてき。

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壁の装飾もシャンデリアも凝っています。

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ドアを出ても美しいんです。はあ、ため息。

ここでコンサートとかやればいいのに! もっとたくさんの人に見てもらいたい!

トークでは、江戸時代初期の頃から明治、大正、昭和、平成に至るまでの日本と海外での着物の歴史を時系列に解説してくれて、日本人のわたしにもよいおさらいになりました。

また、遊郭や歌舞伎の大まかな説明とか、着物によく使われる市松模様の「市松」は江戸時代の歌舞伎俳優の名前に由来しているとか、展示を見るにあたって知っていると役に立つ知識、豆知識のようなものも教えてくれました。

説明が上手だなと思ったのは、たまに現代のイギリスのものに当てはめて話すこと。

歌舞伎役者の家を描いた浮世絵を指して「これは今でいう雑誌の『ハロー』(英国のゴシップ雑誌)みたいなものなんです。ベッカムの家の中を覗いてみたいなって思う人、多いでしょう?」と話していて、観客は大笑い。

人間って国や文化を超えて、似ていることが多いですね。


さて、トークの後はいよいよ展示へ。

展示そのものも、とてもおもしろかったです。

先ほども言ったように、時系列で江戸時代初期から現代までの日本と海外の着物を紹介しているのですが、着物だけでなく歴史や風俗と結びつけて紹介しているのが興味深かったのです。

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(反物から着物ができる様子の説明)


そして江戸時代などの古い着物が本当に美しい!

武家のもの、商家のものなど、どれもデザイン、技術が凝っていて、みとれてしまいました


わたしがいちばん好きだったのはこの着物。
あやめの刺繍が美しく、水を表す線は絞りで表現されています。

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はーっ、ため息が出ちゃう。
絞りのラインが絶妙にばらけているのがたまりませんね。

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こちらは徳川家の葵の御紋のある夏の単(ひとえ)の着物。

刺繍の美しさもさることながら、「葵の御紋」ですよ!

日本でもこういうものが展示されているのかしら。

よくぞ海を渡ってきてくださいました。

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こちらは鎖国の時代に日本で作られたもので、なんとフランスのリヨンの生地を使っているそう。

オランダ経由で長崎の出島を通じて日本に入ってきたそうです。

そんな長旅の末に日本で落ち着いた着物をロンドンで見られる。

なんだかロマンを感じませんか?


そのほか展示は、遊郭や歌舞伎との関係、着物に関係のある浮世絵や古い道具を紹介したり、海外で作られた着物、鎖国時代の日本で海外の生地を使って作られた着物、明治時代に作られた着物らしさの残るドレス、現代デザイナーの着物、海外デザイナーが作った着物、今どきの若者がアレンジするニュー着物を展示したりと、本当に盛りだくさん。

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さすがV&A、見せ方が相変わらず本当にきれい。

上の写真のように鏡を上手に使ったり、障子に見えるついたてを使ったり。

日本人が想像する着物とはひと味違う世界が楽しめました。


さすがかなり前から話題になっていたKimono展、メンバーのみの内覧でも、かなりの混雑だったので、全部の説明を読むことなく、1時間半ぐらいで会場を後にしました。

おみやげコーナーには、中古の羽織や着物(なかには総絞りのものも)、かわいい腰ひも、足袋風なソックス、着物風の生地で作ったトートバッグなど、見ているだけでも楽しかったです。

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トートバック、買えばよかったかなあと今になって少し後悔しているのですが、次に行ったらもう一度考えよう!


その後はまたお茶を飲んでおしゃべり。

食事を変えて、70代にして体重を大幅に減らすことに成功した彼女は、お肌もつやつやで元気いっぱい。

夏に遊ぶ予定をあれこれ話し合いました。


そして帰りがけ、入り口付近から音楽ががんがんと聞こえてきたのです。

V&Aらしからぬビートのきいたモダンな音楽です。

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わ、入り口に入ってすぐのスペースがクラブのようになっていました!

金曜の夜だからかな。


ふだんは案内デスクになっている丸いデスクが急きょバーになってお酒を売っているんです。

これは、考えてみたらグッドアイディアではないかな。


V&Aは入場自体は無料なので、金曜の夜にこういうイベントをしたら、若者はふらっと入ってきて、この高い吹き抜けの空間で。気持ち良く音楽を聴いて、お酒を片手に踊ることができるんです。

美術館には人が入るし、彼らも気が向いたら少し展示を見ることもあるかもしれないし、なんだかすてきじゃないですか?

歴史あるものにこだわらないV&Aの姿勢にわくわくしながら、家路に着きました。


このKimono展はかなり前から話題になっていて、内覧も大人気で遅くまで大盛況でした。

初日のチケットは前日の時点ですでに売り切れだったし、ご興味のある方、予約はお早めに。

イギリスあるいはお近くにお住いのみなさん、おすすめですよ!




 

実はわたし、このkimono展の告知があってから急にモテモテになっております。笑

着物を見るなら日本人と行くのがいいのでは? とあちこちの友人が思ったようで、少なくともあと3回は行く予定です。

この展示は好きだったし、友人との話は毎回違うだろうから、わたしとしては何度行ってもノープロブレム。

何度も行けば、今回あまり近づけなかった着物もよく見ることができるかなと期待しています。



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by londonsmile | 2020-03-01 04:41 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(2)
今週、ラヴィ・シャンカールのオペラ『Sukanya』を観てきました。
(Sukanyaはお姫さまの名前ですが、スカニャーという音が近いように聞こえます)

わたしは夫と知り合ってから知ったのですが、ラヴィ・シャンカールはインドの有名な音楽家で、シタールの大御所。
シタールとは、神秘的な音が鳴るインドの楽器で、ギターのような形をしていると言ったら、想像しやすいと思います。

シャンカールは、音楽を通じて元ビートルズのジョージ・ハリスンとも交流があったそう。
そういえば、ビートルズって一時期インド風な衣装を着たりして、ヒッピーっぽかったですよね。
夫の話を聞いていた時は、そんなことをぼんやり思い出した程度でした。

夫自身はラヴィ・シャンカールの大ファンで、瞑想の時にかかっていそうな神秘的な音楽をよく家で聴いているので、彼の名前はなんとなく頭にありました。
(ちなみに、こういう音楽を何時間もずーっと聴いていると、わたしは少し不安な気持ちになります。なんでだろう?)

やはり夫からの情報で、シャンカールはアメリカの人気歌手、ノーラ・ジョーンズのお父さんだということを知りました。
ご本人の音楽よりも、ノーラ・ジョーンズの父ということの方が実はわたしにとっては衝撃があったのですが。
もう一人、異母姉妹のアヌーシュカ・シャンカールはお父さんの跡をついで、シタール奏者として大活躍中だそう。

ある日、インドにもオペラにも詳しい友人が、急な用事で行かれなくなったからと、ラヴィ・シャンカールのオペラのチケットをくれたのです。
たまにオペラをご一緒する仲なので声をかけてもらったのですが、あいにく夫はその日、仕事で行かれない。

さて、わたしは誰を誘ったでしょう?

ラヴィ・シャンカールのオペラ『Sukanya』、いろんな意味で西洋と東洋の融合の経験_e0114020_19184592.jpg

開演前のステージ。
蒼いライトに照らされたステージにはすでにスモークがたかれていて神秘的でした。

オペラ『Sukanya』は、西洋と東洋の音楽を融合させようとしてラヴィ・シャンカールが90歳の時に作曲した作品だそうです。
90歳でなおオペラを書こうという意欲に驚きますが、お嬢さんはどちらも彼が60歳前後の時に生まれているので、きっと本当に元気な方だったんだろうと想像します。

結局、シャンカールが書いたオペラはこれが唯一の作品になり、初演されたのは2012年にご本人が亡くなった5年後の2017年だったそう。
ひんぱんに上演されない作品だし、とても貴重な機会です。

オペラは神秘的なシタールの静かなソロから始まりました。
オーケストラにインドの楽器、シタール、タブラなどが加わっていて、時に西洋風、時にインド風、時にそのふたつが融合、という具合にくるくると変幻自在。
不思議な感覚でした。

特に気になったのは、インドの民族楽器、シェーナイ。
クラリネットのような見た目ですが、やはりシタールのように神秘的な音が出るんです。
すっごく大雑把に言えば、「イエロースネーク、カモーン!」の蛇使いが吹くラッパのような音。
吹く人の息遣いまでよく聞こえて、人の温もりを感じる音がとても印象的でした。

そしてこのオペラは、音楽だけでなくダンスも見応えたっぷりでした。
オペラにダンスが入ることはありますが、 Sukanyaでのインド風のダンスは踊っている時間も長かったし、本当にすばらしかった!
ボリウッド映画で見るようなコミカルな動きあり、コンテンポラリー風なダンスあり、ソロあり、群舞あり。
舞台から目が話せず、舞台上の歌の字幕さえ見そびれちゃうほどでした。
動きに合わせて優雅に揺れる衣装も美しくて、うっとり。

休憩を入れても2時間という短めのオペラなので、ストーリーはわりとシンプルでした。
蟻塚になって歳をとってしまった老人と、若くて美しいお姫さまの真実の愛の物語。
合間には、初めてインドの楽器を買った話など、なかなか楽しいセリフも盛り込まれていました。

歌はすべて英語ですが、繰り広げられるのは古代インドの世界。
ヨーロッパにいるようなインドにいるような、不思議な時間が経験できました。
ラヴィ・シャンカールのオペラ『Sukanya』、いろんな意味で西洋と東洋の融合の経験_e0114020_19190419.jpg

休憩時間にサウスバンク側から見たテムズ川の北岸。

さて、この日はご一緒した方ともとても楽しい時間になりました。
夫の代わりにお誘いしたのは、同じフラットに住むインド人マダム、御年94歳。
亡くなったご主人が政府の高官で、生前、ラヴィ・シャンカールと交流があったと前に聞いていたのです。

ご高齢の方と2人で夜に出かけるのは少し緊張しましたが、マダムは今でもヨガやピラティスをしていてとてもお元気だし、疲れたら疲れたと伝えてもらえる程度には親しい付き合いだと思ったので、思い切って。

夜のお出かけは久しぶりだったようだったし、音楽もダンスもあるオペラを観て「インドに暮らしていた頃の忘れていた感覚が戻ってきた感じ、何十年か前にタイムスリップしたみたい」と言ってもらえて、嬉しかったです。
喜んでいるマダムは少女のようにきらきらしていて、本当にかわいらしかった!

軽く食事をしてからコンサートに出かけたので、一緒に家を出てから戻るまで約6時間、2人っきりで過ごしたことになります。
その間、インドの話や子どもの頃の話、ラヴィ・シャンカールの思い出話、インド高官あるある話(笑)までたっぷり聞けて、その意味でもロンドンにいながらインドに触れた夜でした。

ちなみにずっと「インド」と言っていますが、イスラム教徒である彼女は正確にはパキスタンの方。
でもインド・パキスタン分離独立を身をもって経験したマダムの心は今もインドにあるようで、たいてい「インドでは」と話されます。
心中は複雑だろうとお察ししつつ、貴重なお話を聞ける幸運に本当に感謝しています。

当日演奏したロンドン・フィルハーモニック・オーケストラが、ウェブサイトでSukanyaのパンフレットを無料で公開しています。
よかったら、↓のページの右端からご覧ください。
うまく切り取って表示できなかったのですが、このページに写真が載っているラヴィ・シャンカールさま、すばらしい目ヂカラで、まさに吸い込まれてしまいそう。
きっと魅力的な方だったんでしょうねぇ。



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by londonsmile | 2020-01-19 23:43 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(0)

ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(以下RA)で開催中のフェリックス・ヴァロットン展にすべりこみで行ってきました。

ヴァロットンが大好きなわたしには本当によい展示だったので、感想を書いておきたいと思います。

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アートには疎いのですが、たまに爆発的に好きになるアーティストがいます。

その一人がヴァロットン。

と言っても、彼の名前を初めて知ったのは、2017年に東京で開かれていた『パリ・グラフィック展』の時だったので、ごく最近のことです。

有名なロートレックなどと一緒に展示されていたヴァロットンの、ユーモアがありながら、どこか不安定な世界がすごく気になって、ずっと心に残っていました。

だから RAで彼の展示があると知って大喜びしたのでした。

行くのはぎりぎりになっちゃったけれど。

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(会場内ではフラッシュがなければ撮影可。

個人が所有する作品で許可が得られなかった3作品だけが例外でした)



今回のRAでの展示は、タイトルもずばり「不穏な画家、ヴァロットン(FélixVallotton; Painter of Disquiet)」。

彼の作品に穏やかならぬものを感じたのは間違っていなかったのねと安心したりして。

東京でヴァロットンを見た時に特に心に残ったのは木版画でしたが、やはり彼はこの時代を代表する木版画を作ったと言われているそう。

彼が活動していたのは、19世紀終わりから20世紀初めにかけてのパリでした。

経済的に発展して華やかでありながら、戦争の影も見えてどこか不安定な空気が漂っていた時代。

そのベルエポックの世界を高度な技術を使って白と黒のシンプルな木版画に切り取ったことが特に評価されているようです。

なんて、解説を付け焼き刃で抜き出しても全然説得力がないと思うので、感想を言うと、とにかく彼の作る白黒の木版画が好きです。

特に、男女2人だけが登場して、ドラマチックな光景が繰り広げられる「親しい仲(Intimités)」というシリーズが好き。

人も背景も単純化されていて見た目はかわいらしいのに、どれも見た目にそぐわない思わせぶりなタイトルがついているんです。

(タイトルの日本語訳が見つからなかったので、わたしがつけています)

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(こちらは展示のカタログより、「親しい仲」シリーズの「美しい針」。

木版画なのになんとも言えない表情を見せている男子にご注目)



たとえば、ソファーで熱く抱擁し合う男女を描いた絵のタイトルが「うそ」。

ハンカチで顔を押さえてテーブルに突っ伏している男性の横で、無表情にそれを見つめる女性、そのタイトルは「勝利」。

左端にいる窓の外を無表情に見る女性、その横に説き伏せるような表情で立つ男性、そして右側は4分の3ぐらいが真っ黒、このタイトルは「金」。

このシリーズではありませんが、ベッドに倒れこんでいる上半身の見えない男女、色っぽいシーンかと思いきや、男性の手にはナイフが握られていて、タイトルは「暗殺」。


なになに? どんな事情があったの? と、考えずにいられないものばかりじゃありませんか?

こういう表現をしたヴァロットンの心のうちをなぞってみるのも楽しいのです。

木版画には他のパターンもあって、デパートでにぎやかに買い物する人たちや花火に魅了されている人たちがいきいきと描かれていたり、入浴とか楽器の演奏という日常生活がユーモラスに描かれていたりもします。

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ただ、「親しい仲」シリーズを見ちゃったからなのか、版画が白黒のせいなのか、何を見てもどことなく不穏な雰囲気が漂っている気がして、この絵の裏に何かドラマがあるのでは? とつい勘ぐってじっと見てしまう。

時代の空気もあるのでしょうか、とにかく、気になるんです。

今回は油絵もずいぶん展示されていて、構図のおもしろいものが気になりました。

たとえば、絵の真ん中あたりに女性が立っていて、その手前にと向こう側に開かれたドアがいくつか描かれている作品。

見ていると、自分の目が最初は女性へ、それから奥のドア、ドア周りの部屋の様子、そして手前のドアに戻ってくる、という自然に移動するのがわかるんです。

平面の絵に深い奥行きを感じて、なんだか不思議な感覚。


おもしろい絵の前に立つと、ヴァロットンがどんな思いで絵を描いたのかを想像して、つい「ふふふ」と微笑んでしまいました。

いたずら心なのか、サービス精神なのか、それとも視線を一か所に集めないという技法的なことなのか。

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(RAは常設展も建物もとても美しい!)



他にも、美しい月や池の風景なのに、なんだか何かが出てきそうな不気味な雰囲気を感じる作品もあって、やっぱりヴァロットン、気になる!


もっと専門的な言葉で的確に表現できるといいのですがとにかく気になるヴァロットン作品のよさが少しでも伝わっていると嬉しいです。


気になるついでに、帰りがけ、この展示のカタログを買ってしまいました。

もう終わりが近づいているからか、半額以下になっていたんですもの。

展示のカタログを買うなんて、何十年ぶりのこと。

こんなに気になるヴァロットン、これからも追いかけていきたいと思います。


RAでのヴァロットンの展示は今週929日(日)までです。

ロンドン方面でご興味のある方、ぜひ。

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by londonsmile | 2019-09-25 19:55 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(2)

大英博物館で5月から開催されている「マンガ展」に滑り込みで行ってきました。


話題のこの展示、日本人ではないキューレーターさんの漫画好きが高じて実現した、と聞いていたので楽しみでした。

漫画は世界中で流行しているようだけど、他の国の人はどんな風にマンガを見ているのかな、と。


行ってみると、これまでと違う視点で漫画を見ることになって、とても新鮮で楽しかったんです。


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(天下の大英博物館の正面入り口にでかでかと掲げられたマンガ展の案内。
この展示の代表に使われているのは、野田サトルの『ゴールデンカムイ』のヒロイン、アシㇼパだそう。知らなかった!)


展示に入るとまず、巨匠・手塚治虫がインタビューに応える映像がありました。

そこで巨匠は、「数百年前の鳥獣戯画に漫画のすべての特徴、つまり省略、変形、誇張がすでにある」と熱く語っていました。

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(ちなみに展示は特別な指示がないものは撮影オーケーでした。

ピカチュウの原画なんて、もう写真撮る人の行列ができていたほど!)


考えてみると私にとって漫画とは「ただ読むもの、楽しむもの」であって、その歴史について考えたことなんて一度もなかったのです。

日本人はそういう人が多いのではないでしょうか。

しかしやはり博物館での展示となれば、その歴史もバッチリ教えてくれるのです。

イギリスで漫画について学ぶとは思いもよりませんでした!


漫画の起源は、手塚巨匠によれば鳥獣戯画の時代に遡るようですが、江戸時代の浮世絵やユーモラスな題材、歌舞伎の引幕にも影響が見られたそうです。

その後、開国、明治維新を迎えた日本にヨーロッパ風の風刺漫画が紹介されて時事漫画が今に近い形で発達し、さらに戦後のディズニーの影響を受けてますます広まったとのこと。


この説明、日本人のわたしはわりとするっとわかったので、ささっと通り抜けましたが、中には説明書きをじっくり読み込んで、展示ケースの前に根気強く張り付いている人(たいていヨーロッパ系の人)もいましたよ。

熱心な漫画ファンなのかな。


おもしろかったのが、漫画のコマを読み進める順番が紹介されていたこと。

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漫画をどの順番で読むかなんて、考えたことありますか?

私はなかったです!

横書きをする言語を持つ西洋の人にとって、本は左から右に読むものなので、右から左に進むこと自体が読みづらいということもあるかもしれません。

たいていの日本人は子どものうちに自然にコマの読み方を学ぶけれど、初めて見る人はどうやって進むのかわからないのか、と思うと新鮮。

私たち、子供の頃から意外に複雑なことをやっていたのかも!笑


漫画の背景が持つ意味(これもわたしたちはほぼ自然に学びますよね)や漫画を描く道具についてもしっかり説明がありました。


そしてもう後は本当にさまざまな漫画家と作品(原画付き)の紹介オンパレード!(英訳もついていました!)


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こちらは手塚治虫の『リボンの騎士』。

さすがのわたしも、見たのはアニメ版の再放送でしたが、とっても懐かしかった!


懐かしいといえば、こんな方も。

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シェー!
とポーズしているのは、赤塚不二夫の『おそ松くん』に出てくるイヤミ。
これも見たのはアニメだったけれど、懐かしくて涙が出そうでした!


その他、『バカボンド』の井上雄彦、江戸風俗を描いた杉浦日向子、妖怪漫画と言えばこの人の水木しげる、最近話題の「きのう何食べた?」のよしなかふみ(もう英語版が出版されていました)、『ONE PIECE』の尾田栄一郎などなどなど。

知らないものも多かったので、全部書ききれませんが。

これだけたくさん見ていると、わたしは漫画を全然知らないんだなーと呆然としました。


大英博物館や大英図書館を舞台にした星野之宣の『宗方教授異考録』シリーズの『大英博物館の大冒険』には、大英博物館やフィッシュ&チップスも登場して、それだけで読みたくなりました。

住んでいるのに、まだロンドンのことを読みたいと思った自分に苦笑。


私の目が釘付けになったのは、なんといっても『ポーの一族』『11人いる!』の萩尾望都でした。

かなり愛読していたので、彼女にはどうしても「先生」とつけたくなりますが!笑

同じ少女漫画の竹宮恵子の展示もあったのですが、萩尾派だったわたしは、萩尾作品の原画をガラス越しにじーっとじーっと眺めてしまいました。


今ネットで見ていたら、萩尾先生はこの展示の開始前にロンドンにいらして講演もされてたんですね。

行けばよかったなあ!

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ちょっとおもしろかったのが、漫画家さんの紹介に必ず血液型が書かれていたこと。


というのも、イギリスでは血液型の話をすることほとんどなく、自分の血液型を知らない人も結構いるんです。

血液型占いなんて、とんでもない!笑

夫はその話になるたび鼻で笑います。

でもわたしは夫がA型であることを一発で当てたのになー。


話は戻って、血液型を紹介したのも「日本らしさ」を演出するキュレーターさんの狙いだったのかもしれません。

久々に血液型の表示を見て、最初はイギリス式にちょっと不思議に感じ、でもその後やっぱり懐かしく思いました。


終盤はmanga for everyone(すべての人にマンガがある)として、漫画はスポーツ、愛情や欲望、過去の世界、冒険、信仰、SF、恐怖など、漫画が扱うテーマが幅広いことを、それぞれ例を出しながら紹介。

ここでは、名前だけ聞いたことのあった中村光の『聖⭐︎おにいさん』が猛烈に読みたくなりました。

ちなみにこれはキュレーターさんのお気に入りでもあるそう。


最近人気の「マンガで読むシリーズ」の本もしっかり展示されていましたよ。

マンガで読む般若心経とか、マンガで読む奥の細道とか、いろいろあるんですねぇ!

少し前なら日本でも漫画で般若心経を学ぶなんて考えられなかったけれど、すっかり定着しているんですね。

ちなみに、わたしもすごく急いで旧約聖書を読む必要があったときに、このシリーズにお世話になりました。


展示ではさらに大盛況のコミケの様子を映像で紹介したり、漫画の背景をバックにプリクラを撮れる設備をもうけたり(大人気で行列が!)、と、本当にいろいろな角度から漫画を楽しめるようになっていました。


そしてこのマンガ展では、周りからフランス語が聞こえてくる確率がとても高かったように思います。

フランスでは漫画が大人気みたいですよね。

バンド・デシネという独自の漫画もあるようだし、日本文化への興味や人気が高いようですよね。


考えてみると、萩尾望都先生の作品なんて、単なる「マンガ」じゃなくて文学に近いと思うのです。

こみいったストーリー、細やかな感情の表現、美しい画風。

『ダーリンは外国人』の小栗左多里さんが、「大人がマンガを読むなんて!」と外国人に馬鹿にされると、「低俗だから漫画を読むんじゃない、日本の漫画は質が高いから大人も読むんだ!」と(いう意味のことを)言い返すとおっしゃっていましたが、この展示を見ていて、本当にそうだなあと実感しました。


展示には、マンガを実際に読めるコーナーもあったんですよ。


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日本語でも英語でも読めるようになっていて、『サザエさん』から『ちびまる子ちゃん』、『キャプテン翼』、萩尾望都の『ポーの一族』『11人いる!』、一条ゆかりの『有閑倶楽部』!

懐かしくてたまらなくなり、『ポーの一族』を手に取り、その場にあった椅子に座って読みました。

ちょうど日本で『ポーの一族』展があったと友だちのSNS投稿で見ていたので、とても嬉しかった!


そしてはっと気がつくと、あっという間に30分経っていました。

それなのにまだ5巻中2巻しか読み終わっていない!

忘れていたところもずいぶんあったし、最後まですごく読みかったのですが、そろそろ帰らなくてはならず、後ろ髪をぎゅうぎゅうと引かれながら会場を後にしました。


展示の出口にはショップが出ていて、キャラクターグッズ(ニャロメのポーチやウナギイヌのトートバッグも!)やポストカード、漫画そのものが売られていました。

ここでなんと『ポーの一族』のプレミアムエディションというものに遭遇。

大英博物館のマンガ展、滑り込みで行ってきました_e0114020_19025727.jpg


大きなサイズの上下巻に全編が収められていて、登場人物の紹介や年表もついているんです。わー!

今にも買ってしまいそうになったのですが、悲しいかな、ここはイギリス、このポンド激安時代でもお値段がすごいことになっていたので、泣く泣くあきらめました。

今度日本に行ったら買っちゃおうかな。


と言うわけで、わたしにとっては、漫画をこれまでと違う視点で見ることができた上、めちゃめちゃ懐かしい思いにも駆られた展示でした。

いやー、漫画っていいですね。


このマンガ展、始まった5月、6月ごろは大混雑だったようですが、もうそれほど混んではいません。

当日でもチケットを買えるので、ご興味のある方は終わっちゃう前にぜひ。

8月26日までです。


(ちなみにこの展示のキュレーターさんの日本語でのインタビューはこちらから!)


大英博物館のマンガ展、滑り込みで行ってきました_e0114020_21051777.jpg
(大英博物館の入り口入ってすぐのグレートコートは何度行ってもつい写真を撮りたくなる美しさ)


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by londonsmile | 2019-08-20 19:25 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(2)
先週、終了間近であることに急に気づいて、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(王立芸術院)のサマー・エキシビションに行ってきました。

ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(以下、RAと省略)は、画家などのアーティストが集まって作った国立美術学校。
1768年に創設され、昨年には創立250周年を迎えた長い歴史のある由緒ある団体で、ロンドンのど真ん中、ピカデリー地区の美しいバーリントン・ハウスに拠点があります。

そこで行われるサマー・エキシビションは、世界中から応募された芸術作品から選考されたものを展示する毎夏の行事。
ポイントは有名無名を問わず誰でも応募できることで、これに入選して作品が展示されるというのは本当に名誉なことと聞いています。

毎年、話には聞くのにわたしはこの展示に行ったことがありませんでした。
もしかしたら覚えていてくださる方もいらっしゃるかもしれませんが、去年のクリスマスプレゼントでここの会員権をいただいて、わたしも1年間だけここのメンバー。
会員は特別展にも予約なしで無料で入ることができるので、せっかくの機会にぜひ行ってみなくては! と思ったのです。

ちょうど気持ちよく晴れた日でしたよ!

駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_00203773.jpg

(RAの外観。すでに大きな彫刻の展示が始まっていました)

先ほど会員は予約なく入れる、と言いましたが、一般には人気のある特別展のチケットを買う時には、日時を指定して予約するんです。
映画のチケットを予約するような感じかな。
そうすることで人数を制限して、大混雑を避けているようです。
最近は日本もそういうシステムになっているでしょうか。
日本の展覧会はとにかく混んでいて、作品をあまり近くで見られないという印象があるんだけれども。

駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_00195558.jpg

さすが王立芸術院、入っている建物も驚くほどゴージャスです。
日ごろから美しいものを見て、さらに目を養い、腕を磨くんでしょうね。
昨年の250周年に合わせて大掛かりな改装がほどこされ、伝統的な美しさにところどころモダンなテイストも加わりました。

さて、肝心のサマーエキシビションですが、ひとことで言うと、大混雑でした!笑

駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_22114403.jpg

 
日本の人の多さに比べると、まだまだ余裕がありそうに見えますが、イギリスの基準で言うと、これはほぼ「身動きできないレベル」。笑
それだけ人気の展示でもあるという証拠でもあるのでしょう。

今年は正体を明かさないことで有名なストリートアーティストのバンクシーの新作が展示されていて、超話題だったのですが、入っていきなりありましたよ!
その前は特に人だかりができていて、とても作品の写真を撮れる雰囲気ではなかったのですが、この上の写真の真ん中あたりにあるグレーのシャッターのようなもの、あれが作品の一部です。

EUから離脱する英国を風刺した作品だそうですが、ご興味ある方はバンクシーさんご本人のインスタグラムからどうぞ。
ネズミの部分のアップと2枚あります。

サマーエキシビション、全体の展示は、たしか10部屋ほどの小さめの展示室に、ところ狭しとぎっしり入選作品が展示されていました。
駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_21332827.jpg


花の油絵のような古典的なテーマや手法のものもありましたが、とても少なくて、ほとんどがモダンなもの。
手描きの絵画の他に、写真やプリントもずいぶんありました。
あと、抽象的な彫刻とか。

写真撮影はダメ、と明示してあるもも以外は写真を撮ってもいいというのが、また太っ腹。
しかもほとんどの作品は購入もできるそうです。

駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_20054746.jpg

たぶん、こういうシールがついているのが売れているもののよう。
プリントや写真なんかはオリジナルが1つではないので、いくつもシールがついている人気作品もありました。

展示にはただ番号があるだけなのですが、入り口でカタログを購入すると、アーティスト名など詳しい情報が書いてあるようで、カタログ片手に、番号と照らし合わせながら熱心に見ている人もずいぶんいました。
わたしは、今回は展示自体の見学気分だったので、全体の雰囲気を見て回ることに専念。

それから、わたしは実はあまり現代アートというのが得意じゃないのです。
頭がカタいなーと我ながら思うけれど、アートはわりと古典的なものが好き。
だから、実は展示されている作品そのものより、こういうものに実は目が行きがちでした。

駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_00230179.jpg

ドーム型の美しい窓。
RAの建物は本当に古典的な豪華さ満載で、みとれちゃいます。

駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_00220282.jpg

この禁煙の表示は、現代に彫ったものかしら。
大理石のようなこんな美しい柱に彫り込んじゃうなんて、さすがに美意識が高い!

話を戻すと、そうなんです、わたしは現代アートに疎いのです。
そしてこれまでは、アートは好きか嫌いかしかなくて、嫌いなものは仕方ないんだ、と言い訳していました。
が、この日のようにテーマも手法もまちまちの作品をいっぺんに見ていると、どうしてこれを作ろうと思ったのか、単純に疑問が湧いてきました。
そして何作品かについてぼんやり自分なりの答えを考えているうちに、そうか、こうやって考えることで理解が深まるという見方もあるんだな、と思ったんです。

つまり、わたしにはこの作品を好きとは言えないけれど、どうしてこれをこう作ろうと思ったかは理解できるかもしれない、ということ。
嫌いだから見もしないというのではなくて、理解しようとする態度自体が大切なのかもしれないなあ、なんて思ったのでした。
その上で、好きになれないというのはまた別の話で。

アートに詳しいわけではないわたしとしては、こんな風にぼんやり考えたり、それぞれのアーティストの思いがうわーっとあふれたこの場のエネルギーを感じられたりしただけでもいい経験になりました。

駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_00221622.jpg

会場内にはジン・カクテルのバーもありました。
アート作品のこんなに近くでお酒を売っているなんて、これまたおおらかな!笑
こういう場でがぶ飲みする人もいないんでしょうね。
ジンは今、本当に大流行です。

駆け込みでロイヤル・アカデミー・オブ・アーツのサマーエキシビション_e0114020_00240188.jpg

外に出ると、彫刻アートのすぐ脇で、サンドイッチを食べたりお茶を飲んだりしている人たちがたくさんいました。
こんな風に暮らしとアートの距離が近いということが、日本人のわたしが持っている「芸術作品」のイメージを変えてくれている気がします。

なんだかいろいろ考えて、充実した午後でした。
これからは、わからなくても好きじゃなくても、もっとアートをこの目で見てみようという気持ちになったワタクシです。

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最後の写真は、RAの入り口にある大好きなポスト。
まるで部屋の内装のような木製で、しかも今も使われているというのがわたしもツボにはまりまくっています。
こういうポストは、まだここでしか見たことがありません。


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by londonsmile | 2019-08-14 22:06 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(0)
金曜の夜はボリショイバレエ団の『白鳥の湖』へ。

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_01063609.jpg

立て続けにはロイヤルオペラハウスにくるとは、テンションが上がります。笑

天井の高いこのホールは、何度来ても、美しさにみとれてしまって写真を撮ってしまいます。
大きなバーがあって、階上にはレストランがあって、上演前や幕間の時間に食事やお酒を楽しむ人たちをながめるのが、オペラハウスに来る醍醐味のひとつ。

この日はオペラではなくてバレエだったせいなのか、ドレスアップした人が多かった印象でした。
オペラの時にはちょっとエキセントリックなインテリ風な人(男女とも)を見かけるのですが、そういう人はほとんどいなかったし、タキシード率、ロングドレス率も高かった!

元バレエダンサーと思われるマダムや、今きっとバレエに夢中なんだろうなという若い女性も多くて、舞台の外も華やかでした。
そういえば男性ダンサーと思われる方はあまり見かけなかったなあ。
男性はわかりにくいのでしょうか。
女性だと、髪をアップにして、長めのスカートをはいて、もちろん姿勢がめちゃくちゃよくて、すごくわかりやすいのですが!

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_01052686.jpg


実はこの日は、ご一緒するはずだったお友だちが突然の体調不良に。
急きょ、彼女が勤める会社の若い日本人の同僚さんがピンチヒッターで来てくださって、ご一緒しました。

ロンドンに去年来たばかりで、オペラハウスは初めてということだったので、上演前と幕間にオペラハウスをあちこちご案内してみました。
ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_00262391.jpg

夏場はバルコニーに出るのが気持ちがいいですね。
幕間でもまだ明るいし。
このすぐ下がコベントガーデンになっています。

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_18540075.jpg

先ほどのバーを上から見たところ。
ここも、つい毎回写真を撮っちゃうポイントです。
こういうゆったりした優雅な空間、なかなかお目にかかれるものじゃありませんもの。

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_00265608.jpg

客席に向かう途中には、これまでに上演したバレエやオペラのポスターが飾ってあります。

本当はいつもオペラハウスでは人について行くばかりなので、内心ドキドキだったのですが、なんとかうまくできた、かな。
新しいお友だちに紹介するフリをしながら、わたしもたっぷり楽しませてもらっちゃいました。

さて、では席につきましょう。

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_00272237.jpg

ダンス全般が好きな友だちが選んでくれた席は、正面の席。
少し上の階ですが、これがまたバレエには合っていた気がします。
チュチュが広がっている感じが上から見ると、いっそう美しくて。

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_00274222.jpg


そして上の階の席に来た時には、天井を観察することもお忘れなく。
色合いもゴールドの装飾も、とても美しいんです。
これは舞台に近い下の方の席では味わえないオマケです。

さて、白鳥の湖。
すべてが夢のように美しくて、ただただぼーっとみとれてしまいました。

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_00281742.jpg
優雅なダンスと超人的な身体能力、計算された振り付けにゴージャスな衣装、ドラマチックな演出。
あまりの美しさに、ため息を何度もつきながらの鑑賞でした。
白鳥が踊るときのブルーグレーの照明が幻想的で、たまに墨絵のようにも見えて、それがまた美して。

なんという眼福!
今も余韻がたっぷり残っていて、2日経ってもまだふわふわしています。

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_00284626.jpg


やっぱりその場で観て感じるものはいいですね。
この前のお芝居はあんまりうまくいなかったけれど、回を重ねて、いろいろな芸能を楽しめるようになりたいと思っています。

ボリショイバレエの『白鳥の湖』@ロイヤルオペラハウス_e0114020_01060794.jpg

Thoroughly enjoyed Bolshoi Ballet's Swan Lake last night.
How beautiful...
I was actually speechless to see such beauty and just was there feeling dreamy like a little girl😉



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by londonsmile | 2019-08-04 19:05 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(0)

怒涛の社交ウィークがスタートしました!笑

と言うと大げさですが、偶然予定が重なって今週は外出続きなんです。

オペラに観劇に食事に映画に、1週間駆け抜けます!


まず月曜は、ロイヤルオペラハウスに行ってきました。


ロイヤルオペラハウスでオペラ『連隊の娘』_e0114020_20494881.jpg

開演前には、ご一緒した友人と軽く夕食も。

劇場街の周辺には、観劇する人向けにプレシアターメニュー(pre-thatre menu。開演前に食べ終われるように早めの時間限定のお得なセットメニュー)が用意されているレストランが多くて便利です。


この日は、友人が選んでくれたペルー料理Lima Floral

ロイヤルオペラハウスでオペラ『連隊の娘』_e0114020_23310186.jpg

だいたいプレシアターメニューは、前菜、メイン、デザートをそれぞれ数種類から選べるようになっています。
ここもそうだったので、わたしは前菜にセビーチェをチョイス。
お醤油とさわびでいただくお刺身も大好きですが、レモンやハーブの風味たっぷりのセビーチェもおいしい!

ロイヤルオペラハウスでオペラ『連隊の娘』_e0114020_23304082.jpg

メインにも温かいセビーチェを!
熱々のスープをかけてくれるこの感じ、どことなくお茶漬けのようで懐かしさがこみ上げます。笑
上に乗っているのは揚げた薄切りのサツマイモ。
スープが加わると食感が変わって、これまた美味しかったです。

この日は、オペラやコンサートに本当によくお出かけになっているロンドンの椿姫さんに光栄にもお誘いいただいていたので、食事中にもオペラや歌手のお話をたっぷり聞けて、勉強になりました。
本当にものすごい知識量と行動力と面倒見のよさなのですが、ご本人は飄々としていらっしゃるのがまたかっこいいのです。
ちなみに、この日もお着物だったんですよ♪

さて、気分も盛り上がったところでオペラ座に向かいましょう(ちょっと椿姫さん風・笑)。

ロイヤルオペラハウスでオペラ『連隊の娘』_e0114020_20430283.jpg


この日の演目は『連隊の娘』。
初めて観る演目でしたが、椿姫さんが絶対に楽しいよとおっしゃっていたとおり、笑あり涙ありの本当に楽しいオペラでした。

ロイヤルオペラハウスでオペラ『連隊の娘』_e0114020_20435554.jpg

(実はロイヤルオペラのバーのカウンターにはお水が用意してあって、誰でも飲んでいいんです。
劇場内は意外に暖かくて喉が乾きやすいので、お手元にお水がなければぜひこちらへ!)

このオペラ最大の聴きどころはテノールのアリア『友世、なんと嬉しい日』と聞いていたのですが、テノールのハヴィエル・カマレラさんがすばらしい美声を披露したあと、拍手やブラボーの声が全然鎮まらなかったんです。
そして指揮者の目配せしたあと、上演中にまさかのアンコールが。
つまりオペラの途中で同じ曲を2度歌ったんです。

そんなことがあるんですねー。
椿姫さんによると、アメリカを中心に他ではよくあることらしいんですが、ロンドンのロイヤルオペラでは、そういう例はほとんどなくて、椿姫さんも初めてだったとか。

わー、なんだかいいもの観せてもらっちゃったなー。
やっぱりその場で観て聴いて感じるって、いいことですね。
感激の観劇でした(失礼!恥)。

ロイヤルオペラハウスでオペラ『連隊の娘』_e0114020_20482688.jpg

(カーテンコールは写真を撮っていいんですって!)

テノールのカマレラさんは遠目には市川右團次、あるいはザ・たっちの2人のように見える愛くるしいお顔立ち。
童顔のようだったので東洋系かと思いきや、メキシコの方だそうです。
笑顔がチャーミングで、恋する純朴な田舎の青年役がぴったり。

高音が多くて難しいこの曲は、彼の十八番だそうです。
衣装やステージが同じなので、同じ演出と思われるニューヨークMETでのリハーサル映像があったので、ロンドンでも大好評だったアリアをよかったらお楽しみください♪





この曲、明るくて美しくて、大好きになりました。
高い音が青年の高鳴る気持ちを表しているようで、とても幸せな気持ちになります。
もう数日経った今でも耳にしっかり残っていて、ついなにかにつけて口ずさんじゃうほど。
本当にすてきな経験でした。
椿姫さん、誘ってくださってありがとうございました。

さて、まだこれで月曜日の報告です。
怒涛の社交ウィーク、がんばれ、わたし!

ロイヤルオペラハウスでオペラ『連隊の娘』_e0114020_20433116.jpg

(ロンドンでは先週末にLGBTQ+の大々的なパレードが街なかを練り歩きました。
そのシンボルがレインボー、虹。
6月から街をあげてレインボー色が掲げられていたのですが、オペラハウスも照明がレインボーカラーになっていました)



Had a fantastic evening at ROH last night with La Fille du Regiment by Donizetti. The leading tenor did encore with his highlight aria during the performance which is rather unheard of at ROH. This young Mexican man was so cute and perfect for the role of this pure country man who is filled with the joy of love.



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by londonsmile | 2019-07-11 22:37 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(0)

ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)ではクリスチャン・ディオール展がまだまだ大人気ですが、実はひっそりマリー・クワント展も開かれています。


マリー・クワントと言っても若い方はもうご存じないのかも。

ロンドン郊外生まれのマリー・クワントは、60年代、70年代に世界中で大人気だったポップなファッション・デザイナー。

わたしが学生の頃には英国初のポップなブランドとして、日本でもコスメやカジュアルなファッションが人気でした。

今も日本にあるみたいですね(リンクはこちら)。


と言ってもわたしが知っているのは、主にコスメやカラフルなタイツ、キュートなTシャツぐらい。

マリー・クワント自身や詳しいファッションはほとんど知りませんでしたが、わたしはきっと好きなはず、という予感がありました。

彼女のブランドが使っている黒地に白のお花のマークが大好きだったし、ファッション的にもオードリー・ヘップバーンやジャクリーヌ・ケネディー、『奥様は魔女』のサマンサが着ているような60年代、70年代という時代が好きなので。


ちょうど日本から友だちが来ていたので、同じような趣味を持った同世代の彼女と2人、いそいそと会場に乗り込んだのでした。

ヒッピーハッピーな時代の女王、V&Aマリー・クワント展_e0114020_00562364.jpg

V&Aの特別展はインターネットで日時を指定して事前に申し込むことになっているのですが、この先数ヶ月分売り切れになっている大人気のディオール展に比べて、マリー・クワント展は翌日なら予約できる程度。

そんなに混んでいないのかと思いきや、当日の会場は思った以上に大混雑でした。


会場にいたのはほとんどが女性で、ファッションに興味のありそうな若い層と、マリー・クワントの全盛期を懐かしむ風な年配層に大きく分かれていたのが印象的。

ヒッピーハッピーな時代の女王、V&Aマリー・クワント展_e0114020_00580474.jpg
ヒッピーハッピーな時代の女王、V&Aマリー・クワント展_e0114020_01034476.jpg


中に入ると早速マリー・クワントが作ったポップで遊び心たっぷりなファッションに魅了されます。

今見ても、そんなに古く感じないものも多いんです。


入ってすぐの1階の展示では、学校でファッションを学んでからチェルシーにBAZAAR(バザール)というお店を開いて大人気になり、あっという間にヨーロッパからアメリカにまで進出して行った彼女のファッションを紹介していました。


当時の服に加えて、ご本人が登場している写真や映像もたっぷり。

マリー・クワントが働いている様子もいろいろな形で見ることがました。

ヒッピーハッピーな時代の女王、V&Aマリー・クワント展_e0114020_00585972.jpg

ヒッピーハッピーな時代の女王、V&Aマリー・クワント展_e0114020_00592469.jpg


こういう白黒の古い映像を見るのも大好きなので、わたしは大喜びでした。

白黒写真のご本人もすてきです。

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後ろにいる保守的なお洋服のご婦人たちに比べて、上品でありながら、やはりとんがっているファッションですよね。


ヒッピーハッピーな時代の女王、V&Aマリー・クワント展_e0114020_00595393.jpg



こちらは意外にもオーソドックスな感じ。

真ん中はウィリアム・モリス、右端はリバティーのプリントを使っているそうです。

こんな伝統的な柄も使っていたんですね。


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そうかと思うと、仕事でも女性らしさを、と、ロマンチックなドレス姿の生地で作られたスーツもありました。

従来の形にとらわれない柔軟なスタイルが小気味いいですね!


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展示は、2階分を上手に使われていました。
会場の柱も、下の方がシマシマになっているのがマリー・クワントっぽくてかわいい。

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サリーちゃんみたいでかわいいお洋服。
こういうの、大好きなんです。

2階は明るくて、ますますポップな空間。
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ヒッピーハッピーな時代の女王、V&Aマリー・クワント展_e0114020_01011523.jpg


マネキンさんも遊んでます。笑

背景にヴィクトリア時代の美しいアイアンワークがちらりと見えているのも、V&Aならではの演出ですね。

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これこれ、これです、わたしがよく知っているマリー・クワントのコスメたち。懐かしい!
白黒の感じが少しシャネルっぽいけれど、シンプルでやわらかなお花をロゴにしていて、これまた遊び心を感じます。

遊び心といえば、とても愛らしいものを見つけたんです。
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マリー・クワントのオリジナル人形!

デイジーちゃんという名前は、ブランドに使われている例のお花からとったんだそう。
あのお花、デイジーだったのね。
数十年を経て初めて知った事実でした。笑
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知名度こそバービーちゃんやリカちゃんに劣るデイジーちゃんですが、おしゃれセンスはバッチリ。
人間と同じお洋服を着てるんですもの。
新しいお洋服を買ったら、お人形も着せ替えないとね。
ああ、楽しそう♪
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マリー・クワントは、夫や友人と一緒にビジネスを展開していたそうで、だから彼女は創作に専念できたという面もあるようです。

同時に、パリのオートクチュールに挑戦する形で「伯爵夫人もタイピストも着られる服」をめざしたという意味では、彼女の創作スタイル自体がユニークだったよう。

(タイピスト、と書いてあったと思うのです、今となっては定かではないのだけど。

とにかく「ごく一般の働く女性」という意味でした)


デザインのあちこちに見られる遊び心と、確立された世界に立ち向かう反骨精神のようなものは、とても英国人らしい気質ではないかと思いました。


おもしかったのが、今回展示された洋服には一般の人から集められたものもあったこと。

展示の前に#WEWANTQUANT(クワント募集)というハッシュタグで、家に眠っている思い出のお洋服を提供してくれる人を探したそうです。

しかも、持ち主の名前やお洋服の展示だけでなく、どんな時にどんな思いで着たお洋服だったのかも説明されていて、持ち主がその服を着た写真も一緒に飾られていました。


たとえば、日本人にはちょっと手ぬぐいの柄のようにも見える個性的なこのピンクのブラウス。
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持ち主はケンジントンに住んでいた科学研究者のキャロライン・クーパーさん。

南極から帰ってくる地質学者のボーイフレンドに会うためにこれを買ったそうです。
なんだかドラマチックなお話で、こんな話を聞くと、頬を染めて彼に会いに行くキャロラインさんが目に浮かぶようじゃありませんか?
ラベルは初めからついていなかったので、縫い上がってすぐにお店に出たんじゃないかとのこと。

そのほか、一般の人が寄せたエピソードを見ていると、彼のお母さんに初めて会うために買ったワンピースとか、屋外の儀式に参列するために買ったコートとか、それぞれの人生が垣間見られるストーリーに満ちていて、お洋服をながめながらつい妄想がはずんでしまい、忙しい、忙しい(笑)。

たまに虫食いの穴があいたものも混じっているお洋服は、この展示に寄付されていたり、貸し出しされただけだったり。
その違いにも、ご本人やご家族のストーリーをあれこれを思いを巡らせてしまいます。
長く語れるお洋服って、やっぱりいいですね。
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おみやげ品もポップでかわいいものがたくさんありました。

明るくハッピーな気持ちにしてくれるマリー・クワント展、おすすめです。

親しいお友だちと、「どれが好き?」なんて言い合いながら見るのも楽しいですよ。


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by londonsmile | 2019-06-19 18:08 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(2)
日曜日の夜は、サウスバンクのコンサートに行ってきました。

この日の目玉は、小さな頃から才能を発揮していたヴァイオリン奏者のニコラ・ベネディッティ。
名前を覚えるのが苦手なわたしは、おぼろげに記憶がある程度だったのですがが、数々の受賞歴を誇り、30歳を超えた今も第一線で活躍しているそう。

しかも大変な美人さんと聞いていたので、ますます楽しみに会場に向かったのでした♪
ボックス席でニコラ・ベネディッティのヴァイオリンを楽しむ♪_e0114020_18524838.jpg


この日のプログラム。

後半のチャイコフスキーの交響曲第4番というのは初めて聴いたので、帰りがけに会場に貼ってあったこの案内をスマホで写真を撮っていたのです。
そしたら係りのお姉さんがやってきて、「これ、よかったらあげるわよ」と、するすると紙をボードから取り外して手渡してくれました!
特に欲しかったわけじゃないんだけど(笑)せっかくくれたので、記念にもらってきてみました。

今回はボックス席を初体験。
ロイヤルオペラでは脇の席に座ったこともありますが、こんなにボックスらしいボックス席は初めてでした。
ボックス席でニコラ・ベネディッティのヴァイオリンを楽しむ♪_e0114020_18533765.jpg


4人入れるボックスには、こんな風にテーブルもついていました。
歌舞伎の桟敷席じゃないけど、お弁当とお茶を置きたくなりますね!

ボックス席でニコラ・ベネディッティのヴァイオリンを楽しむ♪_e0114020_17554641.jpg

向かい側のボックス席は、こんな感じに見えていました。
間接照明がきれい。
上演中はもちろん電気は消えますけれど。

ニコラ・ベネディッティさんは前半に登場して、ブルックのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏。

鮮やかなロイヤルブルーのロングドレスに身を包んだ彼女が登場すると、大きな拍手が沸き起こりました。
遠目にも美しいお顔立ちがはっきりとわかり、ウェーブのかかった亜麻色の長い髪、女優さんのような細い腕(でもしっかり筋肉がついている!)が印象的でした。

登場した時にははにかんだようにお辞儀をしていた彼女でしたが、ひとたび演奏が始まると目つきが鋭くなり、全身を使っての大熱演。
わたしはヴァイオリンには詳しくありませんが、たまたま知っている曲だったので、彼女の音色はとても繊細な感じがしました。

演奏が終わると、一気に最初の謙虚な感じに戻った彼女。
スタンディングオベージョンの中、ややぎこちない様子でお辞儀をしながらオーケストラの人たちにずっと拍手を贈っていたのがかわいらしかったです。
お人柄が偲ばれるようで、すっかりファンになってしまいました♪

ベネディッティさんの演奏の後に休憩が入ったのですが、初めはほぼ満席だった会場も、後半は空いた席がちらほら見られたのにはちょっとびっくり。
彼女の演奏だけを聴きにきた人もいたんですねー。
やっぱりかなりの人気者のようです。

無知はわたしは、後半も彼女のが出てくるものだと思い込んでいたのですが、1回のコンサートで協奏曲を2曲演奏するなんて大変すぎてありえないそう。
それはそうだなと後で思ったのです。
彼女はあの1曲に、心も体も、すべてのエネルギーを注ぎ込んだように見えたので。

ところでこの日は、ボックス席に座ると、ステージ全体が眺められるのがとても楽しいことも発見しました。
ボックス席でニコラ・ベネディッティのヴァイオリンを楽しむ♪_e0114020_17560547.jpg

上から眺めていると指揮者の指示で全体がどう動いて、いかにひとつにまとまっているのか、目で見ることができるんです。
それなのに、ひとつひとつの楽器の音もよく聴こえるから、とても不思議。
上にいるからでしょうか。

コントラバスの奏者の楽譜が実際に見えたり、大勢のヴァイオリン奏者が一斉にぴらっと楽譜をめくると、一瞬、白い蝶々がたくさん飛んでいるように見えたり、「見る」音楽がたっぷり楽しめました。

これまでは前の列で見るのがベストだと思っていましたが、すっかり考えが変わった夜でした。
そういえば、オペラに詳しい知り合いの方は、歌声がよく聴こえるように舞台近くの脇の席を取るとおっしゃっていたっけ。
それぞれの席で違う楽しみがあるんですね。

ボックス席、オススメです!

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by londonsmile | 2019-06-04 19:11 | ロンドン・エンターテインメント | Trackback | Comments(0)

londonsmile、ロンスマことラッシャー貴子です。翻訳をしています。元気な英国人夫とのロンドン生活も早いもので12年目。20歳の時に好きになったイギリスが今も大好き。英国内旅行や日々のいろいろを綴っています。お仕事の依頼やご連絡は、非公開コメントでお願いします。


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