前回は週末に行ったバースの街をささっとご紹介しました。
バースでは友人の誕生日のお祝いにも参加する予定だったので、今回の旅行はかなり時間が限られていました。
街の優美な建物を見て回った後は、「わたしの聖地」に行かなければ。
そしてできたら、やってみたいことがあったのです。
それは「ひとりアフタヌーンティー」でした。
いえ、どうしてもひとりでアフタヌーンティー(AT)したかった訳ではないのですが、「ひとりででも」してみたかった場所があったのです。
ジェイン・オースティンは18世紀のイギリスの作家で、当時は中流以上の家庭の女性にとって大きな関心であった結婚を通して社会を描いた6作品を残した女性です。
彼女はバースで数年を過ごしたことがあり、このオースティン・センターは彼女の生涯や当時のバースでの暮らしぶりを紹介する博物館です。
博物館もきれいな住宅用の建物に入っていて、同じ建物の3階にあるのがこのリージェンシー・ティールーム。
「リージェンシー」とは王室に摂政のいた当時を指す言葉で、ジェイン・オースティンが生きた時代を全体にそう呼んでいます。
人気のある小さなティールームなので、予約がないとだめかもとは思いましたが、ダメもとで突入してみたところ、1時間だけなら、と入れてもらえました。
ラッキー!
シンプルな店内ですが、昼間からちゃんとテーブルクロスが敷かれて、カーテンもドレープたっぷり。
忙しそうだったので写真撮影をお願いできませんでしたが、お店で働く女性は当時の小間使いのような衣装を着ていて、雰囲気を盛り上げてくれます。
(ひとりだけいた男性は白シャツにベスト姿だったので、どういう衣装なのか特定できず)
このティールームはアフタヌーンティーが有名です。
まだお昼ごろでしたが、観光客のお腹に時間は関係ありません、タイミングのあった時が食べ時です!
このティールームでは、お腹の具合に合わせて、ATの種類が選ぶことができました。
アフタヌーンティーというと、サンドイッチ、スコーン、ケーキなどのお菓子の3種類にお茶が出てきますよね。
ところがここでは、サンドイッチとスコーンのみ、あるいはスコーンのみ、ケーキのみも選ぶことができるのです。
スコーンとお茶のセットはクリームティーと呼ばれてよく見かけますが、このサンドイッチとスコーンというセットはわたしは初めて見ました。
いろいろな時間に訪れる観光客のお腹の具合に合わせるように工夫されているのでしょうか。
いずれにしても、いつもなかなかケーキまでたどりつけないわたしとしては、これはベストなAT!
というわけで、お昼を兼ねてサンドイッチとスコーンのセットにしてみました。
軽いような、ずっしりしているような、よくわからないランチですが、いいのです、嬉しかったから。
そしてこちらがその「ミス・ダッシュウッドのお茶」セット。
ミス・ダッシュウッドは、ジェイン・オースティンの『分別と多感』に登場するエレノア・ダッシュウッドのことなのです。
他のセットにもそれぞれ登場人物の名前がついていて、ファンにはたまりません。
サンドイッチは凝ったものより、こういう素朴な方が好きです。
大した理由はないのですが、なんていうか、ATに合っている気がして。
この日はATにつきもののキュウリのサンドイッチがなぜかありませんでしたが、ハム、カレー味のついたチーズ、スモークサーモンなど、具もたっぷり、バターもたっぷりでおいしかったです。
パンも白、全粒粉入り、シード入りとバラエティーがあって味に変化がありました。
紅茶もブレンドが数種類用意されていたので、わたしは「ジェイン・オースティン・ブレンド」にしてみました。
かすかにスモーキーで大人っぽいお味。
オースティンの時代はまだインドの紅茶がそれほど手に入らなかったそうで、中国の紅茶が入っているそうです。
そして紅茶が入ってくるこのティーポットをご覧ください。
「ジェイン・オースティン」と入った特製のものでした。
ちなみにカップ&ソーサーやお皿も同じ。
凝っていますね。
そしてわたしのハイライトは熱々で出てきたスコーンでした。
外がかりっとしっかりしていて、中はふわっ。
まさにわたしの理想のスコーン。
ジャムも日によって、イチゴ、ラズベリー、アンズから選べるようで、わたしはイチゴをチョイス。
カロリーも気にせず、クロテッドクリームもジャムもたっぷりつけてほおばっていた時にふと思い出しました。
あ、そうだ、今日はお行儀よく食べないといけないんだった!
だって、壁にはこの方がいらっしゃるんですもの。
『高慢と偏見』に出てくる白馬の王子、ミスター・ダーシー。
オースティン作品では、おそらくいちばん有名な登場人物ではないでしょうか。
もちろん架空の人物ですが、この肖像画は英国の俳優、コリン・ファースがダーシーに扮した時のもの。
彼は1995年のBBCドラマでダーシー役を演じて、スターの座を確立しました。
コリン・ファースはその後も『英国王のスピーチ』や『キングスマン』で世界的に大活躍していますが、四半世紀経った今でも「ミスター・ダーシーといえばコリン・ファース」というイメージがまだまだ強いのです。
(ちなみにコリン・ファースはわたしの王子様でもあります。笑)
今回は時間がなかったし、去年9月に行ったばかりだったので、残念ながらジェイン・オースティン・センター自体には入りませんでした。
オースティン・センターの展示では、保養地として栄えた18世紀のバースに触れることができるので、彼女の作品を知らない方でもじゅうぶん楽しめると思います。
センターを訪れなくても、ティールームや入り口にあるおみやげショップを利用することができますが、センターの当日入場券を持っているとどちらでも割引が受けられます。
次回はぜひ、展示を見た後に友だちとあれこれ語りながらお茶を飲むというのをやってみたい!
この建物に入るだけでも、わたしにとっては聖地巡礼なんですけどね。
館内で当時の衣装を着たガイドの方に遭遇して、うきうきしてしまいました。
(失礼して後ろ姿をパチリ)
ちょっと無粋ですが、一応付け加えると、厳密にはジェイン・オースティンの時代にはまだATの習慣はなかったようです。
ジェインが亡くなったのが1817年、第7代ベッドフォード侯爵夫人がATを始めたと言われているのが1840年頃なのです。
それでも、上流階級の社交の場であった温泉保養地バースでは、こんな優雅なことをしていたんじゃないのかな、と思えてしまいます。
今となってはそう思える、ということかもしれませんが、当時のバースのきらびやかな雰囲気を味わいたい観光客、あるいはオースティン・ファンには、これでいいということにしておきましょう。
バースにお出かけの時には、観光ついでに雰囲気のあるアフタヌーンティーをぜひ。
ちなみにお値段もお得で、わたしがいただいたミス・ダッシュウッドのアフタヌーンティーは11ポンド50ペンス(約1800円)。
ATは素朴な地方のティールームがおすすめです。
2010年にジェイン・オースティン・センターを訪ねた時の記事はこちら。
毎年9月にバースで開催されるジェイン・オースティン・フェスティバルに行った時の記事(ニューズウィーク日本版World Voiceのもの)はこちら。
第六回プラチナブロガーコンテスト開催!旅行・お出かけ部門に応募します。
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