野生のブラックベリー詰みを初体験

イギリスで生活するようになって驚いたことのひとつが、自宅の庭や近所になった果物を当たり前のように食べるということでした。
それもロンドンのような大都市でも。

日本にもそういう地域はあるのでしょうが、悲しいかな、都会っ子のわたくし、しかもわさわさとせわしない高度成長期に育ったせいか、これまでの人生にそういう習慣はまったくありませんでした。

かなり小さい時に住んでいた家の庭にあったのは大きな柿の木ぐらいで、それも渋柿だったので、おばあちゃんが干してくれるまで食べられなかったし、その後引っ越した郊外の家は新興住宅地で、周りには果物の木がある家なんて、地元の農家をのぞいてはなかったのです。

そんなひょろひょろ育ちのわたしには、イギリスでは家で穫れたりんごでデザートを作ったり、プラムの実を木からとって食べたりす暮らしは、とてもまぶしく、同時い地に足がついた人間らしい生活に思えたのです。

というわけで、ご近所のクリスに「ブラックベリー摘みに行かない?」と誘ってもらった時には、ふたつ返事でオーケーしました。
わが家の周りの緑地では、野生のブラックベリーがかなりなっていて、摘んでいる人を見るたびに、いいなあと羨ましく見ていたのです。
でも一人ではどうしていいのかよくわからかったので、摘んでみたことがなかったんです。

ビニールハウスでいちごを摘んだり、学校の行事でさつまいもを掘ったりしたことはありますが、野生のブラックベリー摘みは生まれて初めての経験。
都会っ子、張り切って出かけてきました!

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ブラックベリーは、まず黄緑色の実ができて、それが赤く色づき、さらにそれが黒くなると熟れた証拠。
だから摘むのは黒い実だけです。

摘み始める前に大雨が降り始めたので、一度クリスのフラットに避難。
軽く白ワインなんか飲みながらおしゃべりしていたら、太くて立派な虹が出てきましたよ。
きっとたくさんベリーが摘めるに違いない!

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さて、気を取り直して、すぐ近くの緑地へ。

雨上がりのブラックベリーは、実も葉っぱも光って見えました。

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これはほんの一部。
クリスのフラットはわが家とは反対方向にあるので、この辺りに足を踏み入れるのは初めてでしたが、まるでブラックベリー畑のように葉も茂り、実もたっぷりなっていました。

クリスと話していて、去年は確かあまりの暑さと水不足で、ブラックベリーはあまり熟れなかったことを思い出しました。
今年はブラックベリーも、「待ってました!」という気持ちなのかもしれません。

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これ、全部ブラックベリーです。
これでもまだまだまだ一部ですが。

子どもの頃カナダでよくベリーを摘んでいたというクリスは慣れたもので、トゲのあるブラックベリーの茂みは、足で踏みつけて進むのがいいと教えてくれました。
手前の低い方はお散歩するワンちゃんのトイレになった可能性があるので、少し奥の高めの実を摘むのがおすすめ。

ボウルかザルのようなものを持って、その中に枝ごと入れてから実をとると、手にトゲが刺さりにくいんだそうです。

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そんなトゲなんて刺さらないよ、実だけに触ればいいんじゃないの、と最初は思ったのですが、意外にこれが難しい。
クリスのアドバイスどおり、実のついた枝のまとまりをある程度固定した方がずっと楽にとれました。
実は、最初のうち、アドバイスを適当に聞き流していたわたしは、まんまと指にトゲを刺しちゃったのです。
小さいのに結構痛い!
人の忠告には耳を傾けるべしという教訓を学びました。

それでも指にトゲを刺したのなんて本当に久しぶり。
ある意味、それもなんだか楽しかったのでした。のんき。笑

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だんだん溜まってきましたよ。
それでも超初心者のわたしに比べると、クリスは摘むスピードは驚くほど早くて、自分が摘んだ分もどんどんわたしのボウルに入れてくれました。
あ、ありがとう。

熟れて食べられる実は、触るとぽろっととれるし、どこかぴかぴかと光っているので、わかるんです。
逆に、まだ熟れてない実は触ってもびくともしないし、無理にもぎ取ろうとすると変につぶれたりして、手が真っ赤に!
ブラックベリーは実が黒いのに、つぶれると赤くなるんです。

それで、この汁が落ちにくい!
だから万が一に備えて、色の濃い服で出かけることをお勧めします。
それからトゲ対策で、できれば長袖がベター。
下はジーンズやコーデュロイの厚めで長いパンツが必須です。

ブラックベリーの茂みはわたしの想像以上に広がっていたので、どんどん奥に入って行ってしまって、どこでやめていいのかわからず、本当にキリがないのでした。
そして、ふとヨーロッパの童話の登場人物にでもなった気分になったのでした。
ベリーを摘んでいて夢中になっちゃって、気がついたら暗くなっていて道に迷って家に帰れなくなる、なんて、ありそうでしょ。

なんていう話をしながらクリスと笑いあい、それでもどのタイミングでやめていいのかわからなくて、やっぱりもっとどんどん緑地の奥に入っていきました。
だって黒く美しく光る実がわたしたちを呼んでいるから。

残念ながら、というか、当然ながら、わたしたちは道に迷いませんでしたが、さすがに思い切ってやめた時にはボウルいっぱいのブラックベリーが。
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今思えば、重さを測っておけばよかったんですが、結局クリスは自分の分をたっぷりわたしに分けてくれたので、とても食べきれないほどの量になりました。

翌日は友だちに会うことになっていたのでおすそ分けをして、食べる分は冷蔵庫へ、残った分は冷凍庫へ。
ブラックベリーは冷凍しても他とくっつかないから解凍しやすいよ、とクリスが教えてくれたのです。

それから大切なのは、なにせ野生のベリーなので、食べる前によく洗うこと。
水につけると、意外とベリーのヘタとか、小さな虫が浮き上がってきたりします。
虫は、摘んでいる間にボウルからうまく逃げてくれればいいのですが、やはりどうしても少し残っちゃうようです。

虫の登場で、都会っ子のわたしはあわわわとなりますが、そこは夫にバトンタッチ。
うまく逃してもらって、それから水につけてよく洗います。
ただし、ブラックベリーの実はつぶれやすいので、そおっと。
最初の水にはレモンを絞り入れると殺菌効果があるそうです。

わたしはレモン水で1回、そのあと2回、水をかえて洗い、ちょっと神経質ですが、乾かす前に1粒ずつチェックしました。
さすが都会っ子でしょ。

クリスは1、2回洗って、あとはざるに入れてひと晩冷蔵庫で乾かすだけだそう。
柔らかい実は傷みやすいので、冷蔵庫に入れた方がいいようです。

はあ、楽しい経験でした。
時間にするとほんの30分ほどでしたが、目がすっかりベリー摘みに慣れてしまったようで、その後、道を歩いていて少しでもブラックベリーを見つけると、おっ! と目が行っちゃうんです。

この数日後、クリスはまた摘みに行ったそうで、偶然帰りがけに会って見せてもらった実は、この時より確実に大きかったです。
この前よりもさらに簡単にぽろっととれたそう。
わー、なんだかまた行きたくなりました。

昨日はちょうど雨も降っていい感じに育っただろうし、他の人にとられちゃう前に、もう一度ぐらい行ってみようかなと思っています。


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by londonsmile | 2019-08-15 23:25 | イギリスの人・暮らし | Trackback | Comments(0)

londonsmile、ロンスマことラッシャー貴子です。翻訳をしています。元気な英国人夫とのロンドン生活も早いもので17年目。20歳の時に好きになったイギリスが今も大好き。英国内旅行や日々のいろいろを綴っています。お仕事の依頼や写真掲載のご連絡は非公開コメントでお願いします。無断掲載はご遠慮ください。


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