イギリスに暮らすようになって、気になることのひとつがクリケットの存在でした。
試合の合間にアフタヌーンティーをするから1試合に何日もかかるらしい、なんて、都市伝説的なことが囁かれて、日本ではある意味、ミステリアスなスポーツになっているのではないでしょうか。
あまり見慣れないスポーツ、特別な人がやるもの、もしかして現代ではあまりやらないのかも? という印象をなんとなくわたしも持っていました。
が、暮らしてみると、意外にも現代でもクリケットを見る機会は多い。
女の子でさえ学校でやることもある現役バリバリの人気スポーツなんです。
それなのに、ああ、この動きの緩やかなスポーツは、ルールを覚えるのがなかなか大変なのです。
野球のルールを知ってしまっているせいもあって、動きのひとつひとつが謎。
それでも、わが家のすぐ近くにクリケット場があって、地元のチームが夏になるとよく試合をしているので、たまに立ち見をしては夫に解説してもらっていました。
しかし! それだけでは、なかなか頭の中に定着しないんです。
夏の間にせっかく覚えても、次の夏が来るまでにはすっかり忘れて、の繰り返しでした。
その話をご近所さんにしたら、じゃあ今度一緒に試合をゆっくり見ようよ、ピクニックでもしながら、ということになり、日曜の午後にのんびりクリケット観戦をしてきました。
ずっとお天気がよかったのに、前夜に突然雨が降って焦りましたが、当日はなんとか曇りのち晴れ。
午後1時から予定通り試合が始まりました。
このクリケット場はきちんと観戦用になっているわけではなくて、ただの緑地。
その真ん中に大きな円が描かれていて、試合はその範囲で行われるので、その円の外なら試合の邪魔にはなりません。
わたしたちも適当な日陰のベンチのそばに陣取りました。
この敷物、かわいいでしょ!
毛皮反対! とでも言いたげなユーモラスなくまさん。
メッセージのある新しいものに思えますが、実はご近所のボブ(カナダ人、仮名)が子どもの頃から持っているものだそう。
そんなに長く持っているなんて!
しかも、とてもきれいに保たれていました。
大切にしてたんでしょうね。
ボブのことがますます好きになりました。
お天気はまずまずでしたが、少し肌寒かったので、肌ざわりのいい毛布っぽい素材もありがたかったのでした。
ピクニックをすると決めると、ボブの奥さんのクリス(カナダ人、仮名)とわたしの夫がめちゃめちゃ張り切って、当日はなかなか豪勢なピクニックご飯になりました。
これはクリスが新しくレシピを手に入れて初めて作ったというタルティーヌ。
きれいに並んだトマトが食欲をさらにそそります。
生ハムとメロンなんて、なんだかレストランみたいに本格的。
でも考えてみたら、外に持って出るピクニック料理にはぴったりですね。
次は真似してみよう。
夫のお料理は写真を撮り損ねましたが、コロネーションチキン(チキンのカレーマヨネーズ和え、という感じ)とウォルドーフサラダ(セロリとりんごとクルミのサラダ)。
そしてこの丸いパイ。
見ただけではわかりにくいのですが、ルバーブとオレンジの焼かないパイでした。
パイ生地には叩いたビスケットを作っています。
どれもなかなか夏らしいお料理。
ごちそうさまでした!
さて、いよいよ本格的にクリケットを観ましょう。
ボブと夫がルールをわかっていたので、動きがあるたびにクリスとわたしが説明してもらいました。
でもね、やっぱりわかりにくい。
例えば空振りしても(何も触らなければ)全然オッケーとか、ボールを投げる時は腕をまっすぐにしていなくちゃいけないとか、独自のルールが多いんです。
その上、あんなに硬そうなボールをどうして素手で取れるのか、骨折しちゃうんじゃないのか、実際あの選手、今あんまり追いかけなかったのはノーバウンドで取るのが怖かったからじゃないの!? なんて妄想し始めると、ルールに集中できないことも多々あり。笑
そんな感じでゆるーいクリケット観戦だったので、おしゃべりも弾んだし、周りをキョロキョロすることも多かったのです。
左端のおじさん、ベンチで観戦かと思いきや、ほとんど居眠りしてました。
あまりに静かに寝ているので、生きてるかしらとちょっと心配になるほど。
たまーに目覚めてビールを口にしていたのでホッとしたりして。
同じ場所にずっと座っていると、同じフラットに住む人や散歩中のいろいろな犬(と、もちろん人間)も通りかかり、ちょっと挨拶したり、おしゃべりしたり。
のんびり日曜日、という感じでした。
しかし! うるさ型でご近所で敬遠されているマダムが近くにやってきたので、みんなであわてて目をそらす、というドラマもありました。
マダムは他のマダムと近くのベンチでずーっとおしゃべりしていて、こちらには来ませんでしたが、われわれはずっと緊張状態。
マダムの姿がすっかり見えなくなった時には、思わずみんなで「わー、緊張したー!」と大声をあげたのでした。
わたしと同世代でもあるクリスとボブは、こういう悪ふざけも一緒にしてくれるので、なんだか学生時代からの友だちのような気がしています。
そのほか、この日は今どき葉っぱで冠を作ってかぶったり、木登りをしたりしている子どもたち、お父さんに手伝ってもらって自転車の練習をする子ども、なぜか綱渡りの練習をしているお兄さんにも出会い、クリケット観戦と同時に人間ウォッチングもばっちり。
まったく退屈しませんでした。
雨粒が額に当たった気がしたので、そろそろ帰ろうかと時計を見ると、なんと6時間も経過していました。
わー、びっくり。
でもボブと夫は「これがクリケットだよ」とニヤリ。
うーん、そうなのか。
どれがクリケットなのか、はっきり言葉で説明できるようになるまで、たまにこういうピクニックをしたいと思います!
Had a rather quintessentially British Sunday afternoon watching a cricket match while picnicking. As we watched and chatted, the time just flew and it was 7pm in no time. I must do this again before too long to remember all the rules that I leaned to day.
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