英訳版「ぼくはアフリカにすむキリンといいます」のイベント@Foyles(老舗書店)
2017年 10月 03日
今週、老舗書店Foylesで開かれた“Yours Sincerely, Giraffe”という本のイベントに行ってきました。

(写真はFoylesの店内。
数年前に数軒隣りから移転して、モダンな本のデパートという雰囲気になりました)
この本は「ぼくはアフリカにすむキリンといいます」(偕成社)という日本の子ども向けの本の英訳版で、イベントは日本財団の主催。
今年は日本財団のイベントに本当にお世話になっています。
外国暮らしにはとても力強い味方だなあと実感しつつ、日本が紹介される場面に立ち会うのはとても嬉しいことだと感じます。
この日登壇されたのは、岩佐めぐみさん、イラストの高畠純さん、英訳をされたキャシー平野さん。
着物姿でご登場の岩佐さんはじめ、みなさんとても優しい雰囲気で、日本の文化の紹介もされたりして、和やかなムードでスタートしました。
実はこの本のことはあまり知らなかったのですが、既に6カ国語(ぐらい)に翻訳されている人気の絵本なのだそう。
著者の岩佐さんの「キリンとペンギンが出てくる本を出版する夢を見て、この本を書くことになった。私はそこに本当にある世界をのぞいて書いただけで、これは神様からもらったお話」という言葉がすでにおとぎ話のように美しくて感激でした。
また「息子に途中まで読み聞かせた時、『続きはないの? じゃあ書きなよ』と言ってくれたから最後まで書けました、息子のおかげです」というお話もすてき。
そんな温かい家族の絆のある方から出てきた言葉なら、是非とも読んでみたくなります。

著者と翻訳者が日本語と英語の同じ部分を交互に朗読してくださったのもとても贅沢なことでした。
お二人ともとても優しくてすてきなお声で、登場人物が本当に話しているよう。
朗読に選ばれたやりとりはとびきりチャーミングで、この本のユーモラスな世界に引き込まれました。
子ども向けの本だけれど、やっぱり全部を読んでみたい!
翻訳されたキャシーさんは、ユーモアはこの本の大きな要素だと感じたそうです。
実はこの本、最初の英訳を読んだ版元には気に入ってもらえず、訳し直したりして、英訳版の出版までに6、7年かかったのだとか。
最初の訳は「ユーモアの微妙なニュアンスがうまく伝わっていなかった」ようで、同じ文章でも翻訳した言葉によって印象が大きく変わることに改めて背筋がビンビンに伸びた後、ガクガク震えました。が、がんばらないと!
翻訳のイベントではないので児童文学のお話もたっぷりあったのですが、ついつい私の興味は翻訳の話に。
翻訳のキャシー平野さんは、児童文学を多く翻訳され、最近では世界中で大人気のこんまりさんの『人生がときめく片づけの魔法』を英訳されてたいへんご活躍の方なのです。
そのキャシーさんの「ユーモアの翻訳には文化の違いも関わるので、とても難しい」「日本人は感情を表さないので気持ちを汲みとって表現を工夫している。『ありがとう』を『I love you』と英訳した例もある」「擬声語が豊かな日本語には特有のリズムがある。これは考え方にも影響しているのでは?」などなどというお話、本当に興味深かったです。
そういえば、本のタイトルもそのままではなくて工夫されていますよね。この英語のタイトル、大好き。
最後に著者の岩佐さんから「この本に日本らしさを感じましたか?」という質問があり、英国人(と思われる)女性から「(日本らしいかどうかはわかりませんが)とても礼儀正しくて細やかで優しい世界を感じました」という感想がありました。
そんなすてきなイメージを日本と結びつけてくれたら嬉しいな。
日本の良さをもっと伝えたいとも改めて感じた夜でした。

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日本にも外国にも、心がキュンとするような、印象に残る絵本がいくつもありますよね。
外国で有名で、日本語訳版もある「はらぺこあおむし」とかは、言葉がわからなくてもわかる素敵な絵本ですよね。
大学生のとき、英語、英文学を専攻していたのですが、授業で訳すとくに、これ日本語にすると英語のニュアンスが崩れそうだなあと思ったことがありますが、翻訳のお仕事って本当にたいへんそうだなあと思います。
それにしても素敵な本屋さんですね。
お茶でもしたくなるような、何時間でも居たくなるような空間だなあと思いました。
子どもの時に読んだ本っていつまでも心に残るものだな、とこの歳になってしみじみ思うようになりました。
自分が子どもの時に読んだ本が、今でも同じ挿し絵で売られているのを見ると、まさに心がキュンとします。
英文学を専攻されていたYukkoさんなら、心に残る本、たくさんあるでしょうね。
翻訳がうまくいっていなくて出版が延びた、なんて聞くと焦りますが、とりあえず目の前のことに全力で取り組みたいと背筋が伸びたイベントでした。
岩佐さんがどうしてこの本を書かれたのか、インタビューしてみましたので、もしよろしかったら遊びにいらして下さいね。




