ウィンチェスターの週末その1ウィンチェスター大聖堂

先週末、一泊でハンプシャーのウィンチェスター(Winchester)という町に行ってきました。
ロンドンから車で2時間ほどの静かな町ですが、実はロンドンに首都が移る前には、イングランドの首都だったこともあるのです。
そして最近では大ヒット映画『ダ・ヴィンチ・コード』を撮影した場所のひとつとしても有名だそう。

この町で一番知られているのはやっぱり大聖堂、Winchester Cathedralということで、土曜日の午前中に町に着いた後、すぐに大聖堂を見に行きました。
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今の建物のもとは11世紀に建設が始まったそうですが、最初にこの場所に教会が作られたのは7世紀だそう。古いですよね。
町自体の歴史も古く、紀元前のローマ時代の遺跡も少し残っています。

教会の外の部分には、ローマ時代のモザイクが飾られていました。
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(モザイクは床の部分です、よく見えないけど・汗)
もともと聖堂の別の場所にあったものをここに移したんだそうですが、屋根はあるとはいえ、ここは外で、雨に濡れる可能性もあるし、誰でも入れます。
ローマ時代の遺跡の保存法としてはおおらかですよね!

こちらが聖堂入り口。
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とても有名なヨークやソーズベリーの大聖堂に比べると少し小さめですが、それでも立派です。
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中に入るとやはり雰囲気があって、おごそかな気分になりました。
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中はそれほど混んでいませんでした。
印象深かったのが、ボランティアで聖堂内を案内している方たちがとてもフレンドリーだったこと。
押し付けがましく寄ってくるわけではないのに、目が合えば挨拶してちょっとしたエピソードを教えてくれる感じは、イギリス人らしいちょうどいい距離のとり方。
観光化されすぎていない地方の町の温かさを感じました。

聖堂の中心部に行くと、案内のおばさまが立っていて、私に手招きして「こっち、見て見て」と言うので行ってみると、天井に面して斜めにスライドさせた鏡が置いてありました。
「これを見て!」と言うので覗き込んでみると、こんなことに!
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写真を逆さまに載せているわけじゃありませんよ(笑)。
鏡を覗き込むと、聖堂の天井が逆さまに見えるのです。
おもしろい見せ方ですよね。
鏡に逆さまに写っている不思議な感覚と、天井の高さで、軽くめまいがしました!

ここを出ると、なにやら床がきれいでした。
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教会の床って石のイメージが強いけど、これはタイルかなあ、と思っていると、さらに後部の方には、もっと古そうなものが。
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写真をパチパチ撮っていると、やはりボランティアのおじさまが声をかけてくれて、この辺にあるタイルははオリジナルで、700年ぐらい前のものだと教えてくれました。
「タイルの床って教会によくあります?あんまり見たことない気がするけど」と聞いてみたら、「正直言ってわからない」とのこと。
ほんとに正直でほほえましい(笑)。
でも、この部分は聖堂の中でも巡礼者が集まる場所だったので、それが何か関係しているのかも、と教えてくれました。
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写真を組み合わせたので、いろいろなサイズになっちゃいましたが、絵柄のついたタイルは全部10センチぐらいの正方形。
上段真ん中のタイルは、聖堂の中でも1つしかないそうで、市内にあるウィンチェスターカレッジと、同じ人が創立したオックスフォード大学のニューカレッジを象徴していると言われているそうです。

そのボランティアのおじさま、ふといたずらっぽく微笑むと「あのね、良かったら僕がこの聖堂の中で一番好きなものを見せたいんだけど、興味ある?誰も見ないところにあるんだよ」と言うのです。
そんなお誘い大歓迎!と私が連れていっていただいたのは、教会の一番奥の方。
立ち入り禁止ではないけど、改修の場所が近いので薄暗くなっていて、確かに一人だったらわざわざ行かないかも。

そこでおじさまが嬉しそうに指差したのは、これでした。
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手彫りの木製の飾り。

周りがほんとに暗かったので、この場所自体がうまく写真に撮れなかったのですが、よく教会で司祭さんたちがずらっと並んでいたり、聖歌隊が歌う時とかに立っている場所がありますよね。
写真の左側のようなところ。
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ここはそういう感じのところで、人が立っている列に並んで机代わりのような手すりのような木製の装飾があるのですが、これはその一部でした。
(長い説明でスミマセン!)

各列の端には全部こういう木彫りの装飾が付いているのですが、これ自体、見るのが初めてでした。
おじさまの説明によれば、この装飾はひとつひとつ違っているんだそうで、確かにその場にあったものは全部違う形でした。
普通は正面から見た人や動物が多くて、こんなアクロバット的な形のものは珍しいんだとか。
「だから変わってて好きなんだよ、これが」

「僕は何人かにこの飾りを見せたんだけど、ある時やってきたご婦人がこれを触って『これは若い人が作ったんだわ。まだ見習いから職人になりたての人よ』と言ったんだ。
そして別のも触って『これを作った人は、とても悲しくて怒っていたと思うわ。何があったのかはわからないけど、とても苦しんでいたはず。大丈夫だったかしら』と言ったんだよ。
どう思う?僕はおもしろいと思ったんだよね」
と、おじさま。

残念ながら私は霊感ゼロで、それが本当かどうかは全くわかりません。
でも、そう感じた人がいたなら、きっとそうなんだろうな、とは思うのです。
それにそう信じた方がなんだか想像がふくらむし。

おじさまと話している間、教会や聖堂にまったく興味がないインディーさんは、さっさと見学を終えて先にティールームに行っていたので、私ひとり。
「じゃあ、ゆっくり見学して行ってね」とさらりと去っていったおじさまと大聖堂で過ごした時間は、心に残る思い出になりそうです。
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次回もまだ大聖堂を出ませんよー(笑)。
今回ウィンチェスターに行った目的は、この聖堂のある場所を訪ねるためだったので、それをご紹介します♪


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Commented by 加代子 at 2013-03-02 04:35 x
イギリスの大聖堂は ゴシックが多くて
中に入ると天井とその周りの様子が 静かな
深い森に入ったような気がします。
でも ここはロマネスク様式も残っているのですね。

私も座席の彫刻がとても細かい聖堂が多くて
いつも写真に撮って帰ります。
ヴォランティアの人たちの一番のお気に入りを
教えて頂いて 良かったですね^^
Commented by londonsmile at 2013-03-02 19:00
*加代子さん*
「深い森」っていう表現、すてきですね!
ここは11世紀から建設が始まって、少しずつ追加されてきたようなので、様式が混じっているのかもしれません。

加代子さんはあの彫刻、ご存じでしたか!
しかもいつも写真をお撮りになっているとは!
私は初めて見たんですが、いろいろあっておもしろいですね。
これからはもっと良く見ようと思いました。
ボランティアの方たちのおかげで、ちょっと世界が広がった気がします♪
by londonsmile | 2013-03-01 18:43 | イギリスでお出かけ | Trackback | Comments(2)

londonsmile、ロンスマことラッシャー貴子です。翻訳をしています。元気な英国人夫とのロンドン生活も早いもので17年目。20歳の時に好きになったイギリスが今も大好き。英国内旅行や日々のいろいろを綴っています。お仕事の依頼や写真掲載のご連絡は非公開コメントでお願いします。無断掲載はご遠慮ください。


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