カテゴリ:思ったこと( 4 )

(English follows)

英国がEU離脱を決めたことは本当にあちこちで言われているので、素人の私がブログにわざわざ書くことはないのですが、やっぱりどうしても考えてしまうんですよねー。
なんだかんだ言って残留するとなんとなーく思っていたナイーブなロンドン暮らしの私としては、なかなかショックから立ち直れなかったし、周りの反応も同じような感じ。

実はこのブログのアクセスも国民投票の結果が出てから急激に上がっていて、検索ワードを見ると「イギリス」「イギリス在住」「ロンドン」なんていう真面目なものが多く(普段は「アフタヌーンティー」とか「アガサクリスティー」など)、日本あるいは海外在住の日本人のの皆さんにも関心が高いことなんだなあと感じます。
そして、だからこそ、適当なことを書けないなあとも。

専門的なことは書けませんが、ロンドンに住んでいて私が感じたこと、話題に出ていることなどをお伝えしていけたらいいなと思っています。

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衝撃的な離脱が決まった翌日、土曜日の新聞。
キャメロン首相が辞任演説をする時の写真ですね。
見出しは「離脱で国が大きく揺れる」となっています。

一緒に写っているのは、インディーが新聞と一緒に買ってきてくれたニコニコ顔のハチさん。
ニュースにショックを受けて、機嫌悪かったのかな、私。反省。笑
私は日本国籍を残していて、この国では投票することができないので、自分の無力を思い知り、なんだか気分が暗くなったのでした。
私の1票で決着がつくわけではないのですが。笑

ただ今回の国民投票で、個人が直接投票するというのはとても難しいことだなと痛感しました。
どちらの言い分も、それぞれに頷けるものがあり、一長一短。
だからこそ投票することになるのですが、素人が決めるには問題が多過ぎ、話が複雑過ぎる気がするのです。

例えば、EUからくる人はビザなしで働けるため、人が大量に引っ越してきて仕事に就いたり、お医者さんや学校がやたら混雑したりするし、イギリスにはいないタイプの物乞いやスリも来たりするしで、自分の生活が脅かされる気がする。
EUの統一した規則で、曲がったキュウリを売ってはいけないと言われたり、(イギリスではマイルやインチが主流なのに)ものの単位をメートル法に統一しなければいけないと言われたりして、EUにいちいち指図・干渉されている気がする。
そんな不便なEUを離脱すれば、EUに払っていた莫大な金額を資金不足の国内医療に回せるではないか。(実際にはそんなに単純ではないようです)

その一方で、これまでEUの一部として市場を開拓してきたので、EU国の製品が安く簡単に手に入ったが、離脱したら輸出入が制限されたり、価格が変わったりする。英国では野菜や果物の生産が限られているので、食生活に直接影響が出るかも。
国内に投資していた欧州企業その他の外国企業もおそらく英国を離れることになり、英国経済は縮小しかねないし、世界的にも大きな影響を与える。
EUは英国でも農業に多額を投資しているけれど、EUを離れれば当然それはなくなり、農家は生活に困りかねない。その資金を英国政府が支払えるのか? 
すでにEUからやってきて働き、住んでいる人たちが抜けても、英国は機能していくのか?その分、イギリス人に雇用が回ってくると言うけれど、移民の人たちがやっているお掃除や力仕事に喜んでつくイギリス人がどれくらいいるのか?

これらはほんの一部で、それだけでもこんなに複雑に問題が絡み合っているのに、問題の全体を見て判断するのは一般の市民には難しいのではないでしょうか?
もちろん投票前にはさまざまな情報提供や議論が行われましたが、果たしてその情報や意見は絶対に正しいのかも疑問です。
政治家が自分や党のために情報を利用している可能性もあるからです。

それに公開された情報・見解のほんの一部だけを聞いて判断・投票してしまう人もいるでしょう。
今回も感情的になって軽い気持ちで離脱に投票し今になって後悔している、と告白する人がテレビで取り上げられたりしています。
あるいは、まさか離脱になると思わなかったから思い切って離脱に投票した、という意味不明な人も。汗

このように素人が判断するには問題が大きくて、感情も関わってくるので国民投票って難しいなあと思うのです。
かといって、事情をよく勉強した政治家が決めたとしても、今度は「政治家が勝手に決めた」と文句が出るかもしれないですよね。
たくさんの人の意見をまとめるのは難しくて、増してそれぞれ事情の違う全員がハッピーになることはできないだろうしねぇ。うーん。

そして、こんなに大事なことを、こんなにわずかな差(離脱51.9%、残留48.1%)で決めちゃっていいのかというのも疑問。
過半数ではなくて、せめて3分の2以上とか、70%とかにしてもよさそうなのに。
ほんのわずかな差だったからこそ、残留派は諦めきれずにいると思うし、変な対立心を生んでいる気がします。

それから国民投票の難しさは、直接投票するだけに、人の感情に大きく影響を与える点もあると思うのです。
私はこれが一番怖い。

離脱が決まったとたん、EU国からやってきている人たちはこの国での自分の滞在が心配になったようです。
今はEUの決まりでビザなしで制限なく働いて住むことができるけれども、英国がEUを離れれば労働ビザ、滞在ビザが必要になるかもしれません。
これまで一生懸命働いていた人ほど、拒絶された、裏切られた気持ちになったようで、いつも明るいご近所さんもガックリ肩を落としていて、かける言葉が見つかりませんでした。

この不安な気持ちは外国人全体にも飛び火して、英国にいるのが居心地悪いと感じるEU外の外国人まで出てきたようです。
知り合いのイギリス人を見て、あの人は離脱に投票したのかしら、ということは外国人が嫌いなのかしら、ということは私のことも嫌いなのかしら、ということは・・・などとつい考えてしまうこともあるそうで。
いやいや、そうじゃないよ、離脱イコール外国人嫌いじゃないでしょ、と言っても、一度不安になった気持ちはなかなかおさまらないようなのです。

そしてまたこんな大切な時期に、便乗して実際にポーランド人や東欧人に嫌がらせをする人も出ています。
もう、もう、おバカさん!
こんな時にややこしいこと、するなー!
ただでさえ外国人は不安なのに、ますます居づらくなっちゃうじゃないの! ますます心を閉じちゃうじゃないの!
(「ポーランド人はもういらない!」というカードを家の前に置いたりした、というニュースはこちら(英語です))

どこの国にも外国人嫌いな人はいるし、この国にも確かにいると思います。
でも一般にはこの国は外国人に寛大で、外国人が住みやすい国だと思うんです。
1960年代には国自らが元植民地であるコモンウェルスの国から労働者を招待した経緯もあって、英国人は全体に外国人に慣れているし、英語が下手でもほとんどの場合は根気よく待ってくれるし、移民の人たちにも気前よく無料の医療サービスを受けさせていました(だから財政が苦しくなったのですが)。
少なくとも自分の経験から、私は30年間そう信じてきました(ずっと住んでいたわけではありませんが)。

今回問題になったのはとにかくEUからの移民の数が多すぎたことだと思うんです。
いろいろ調べていたら、2004年にEUが拡大した時に、英国はEU国からの移民の数を制限しなかったんだそう(制限を設けた国もあったそう)。
そこが、ちょっとした間違いの始まりだったのでは?
こんなにたくさん人が来るとは思わなかったでしょうけどね。

でも、とつい考えてしまいます。
それとも、外国人に寛大と思っていたのは私の夢で、本当はそうじゃなかったのかな?と。
私自身も自分の経験や感覚を疑いそうになっているのです。
そういえば、世界のどこでも英語が通じて当たり前と思っているって読んだことあるなあ。
尊大な人たちなんだろうか・・・。

こうやって人の気持ちに不安や疑いが生まれ、人と人の間に亀裂が入っていくのが私は一番怖いのです。
せっかくこれまで仲良くやってたのに!
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(そんな私ですが、絶賛風邪ひき中。
日曜日はお薬を飲むためにベッドで朝ごはんでした)

などと、国民投票の結果が出てから数日、本当に動揺して、やたらにニュースを見たり、人の意見を聞いたり、いろいろなことを考えたりしました。
感情的に投票した人や、投票後の離脱派リーダーの頼りなさを見た人が後悔していると聞いて、国民投票をやり直そうという署名に参加してみたりもしました(これは居住者なら署名できたのです)。

でも今では少し落ち着き、もし国民投票のやり直しがなければ、この結果を受け入れて、前に進むしかないなと腹をくくりました。
この国の戦争中のスローガンで、私も座右の銘にしているKeep Calm and Carry On(落ち着いて、日々の生活を続けよ)の精神です。
この国が教えてくれた、とてもこの国らしい言葉。

これまでEUを離脱した国はないので、これから何が起きるかはまったくわかりません。
しかも離脱派のリーダーたちは、まさか離脱になると思っていなかったのか、なんだか逃げ腰で頼りない。
でも、なるようになる!
あ、それにまだ絶対に離脱するって決まったわけでもないし!笑
(これから新たに首相を選んで、それから2年の交渉・移行期間があるのです)

ただこれからは、もっとよく社会を見て、情報を得て、よく自分で考えて、自分の意見を持とうと思います。
そんなことしても選挙権がないので国に対して何も言うことはできないのですが、せめて自分の意見を持っていれば、例えばやっぱり日本に帰ろうとか、この国でこうしていこうとか、自分のことを自分で決められるでしょうから。

というわけで、これからはもっとよく勉強し、必要なら何かしながら今後の英国を見守っていきたいと思います。
この国のことが好きなので、本当に私が思っていた国だったのかどうかもよく確かめたいし、よい方向に進んでいくことを心から願っています。

そして何よりも、家族や友だちや、これまで出会い、これから出会う世界中のすてきな人たちを大切にしていきたいと思います。
ハッピーなのがいいですよね♪

Since the referendum over EU, I have been in shock, but now I feel all I can do is “Keep Calm and Carry On,” the concept this country taught me and I still treasure.
I am still very sad that this referendum has caused such huge stirs in people’s feelings -it’s not that the UK doesn’t like foreigners (I hope), but it has caused lots of different interpretations and some people are really hurt. SAD!

I will definitely keep en eye on what’s going on in this country, the very country I have been in love with for over 30 years! :)


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by londonsmile | 2016-06-28 17:32 | 思ったこと | Trackback | Comments(6)

Pray for 熊本

今回の熊本の地震で犠牲になられた方とご家族に心からお悔やみ申し上げます。
そして被害に遭われた方、ご家族の方にも心からお見舞い申しあげます。

今は余震が早くおさまって、これ以上被害が広がらないように祈るばかりです。

地震というと、つい東日本大震災のことを思い出して、怖くなってしまいますよね。
被災地にいらっしゃらない方はみなさん同じだと思いますが、特に海外にいると自分の無力さを感じてしまいます。

東日本大震災の時に、落ち込んでいてもなにも役に立たなかったことを思い出して、まずは気持ちを強く持とうと思っています。
支援するにしても、自分が元気で健康でなければできないですもんね。

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昨日、花屋さんで見かけた満開のアイリス。
お友達と一緒に初めて入ったお店の店員さんはなんと日本人で、とても親切な方でした。
嬉しかったなー。


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by londonsmile | 2016-04-15 16:53 | 思ったこと | Trackback | Comments(0)
街を歩いていて、ふと目に入った広告。
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お相撲さんなんだけど、髪も結ってないし、日本人には見えませんよねぇ・・・。

外国人力士も増えましたよね・・・続きはこちら(read more)
by londonsmile | 2009-10-23 02:31 | ちょっと思ったこと | Trackback | Comments(16)

ちょっとした記念日

今日はほんとにいい一日でした。

暖かいとは言えないまでも、お天気が良かったので、なんとなく春らしく感じられる日射しが嬉しかったです。
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(少し遅れましたが、我が家のおひなさま。あっ、昨年とほぼ同じ写真ですね・笑)

続きはこちら(read more)
by londonsmile | 2009-03-05 09:34 | ちょっと思ったこと | Trackback | Comments(4)

元気なイギリス人の夫と翻訳者の私のロンドン生活も12年目に入りました。20歳の時に好きになったイギリスは今も好き。住んでみてわかったイギリスのいろいろをお伝えします。


by londonsmile