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Full English Breakfast

イギリスの食事はおいしくない、と定評(?)がありますが、そうでもないんじゃないかなぁ、と私は思っています。確かにフランス料理や日本料理のように美しく盛り付けたりしないし、野菜を茹でればくたくたにしちゃうし、塩味も全くついていなかったり、たまにつきすぎていたり・・・。おっと、褒めなくちゃいけないのでした。それでも、おいしいものもあるのですよ!

イギリスを旅行されたことのある方は、ホテルの朝食メニューにFull English Breakfastと書かれているのをご覧になったことがあると思います。Breakfastというからには朝食なのですが、実は街中のカフェなどでは、一日中食べることができる人気のメニューです。イギリス料理全般の不人気に対し、朝食は、「イギリスでおいしいものを食べるには、朝食を三度食べることだ」などとも言われて、なかなか好評です。

内容はだいたい次のとおりです:
 ソーセージ
 ベーコン
 卵(目玉焼き、スクランブルなど、好みを聞いてくれる。たいてい2個)
 ベイクドビーンズ(大豆を甘めのトマトソースで煮たもの)
 焼いたマッシュルーム
 焼いたトマト(いずれもフライパンで焼いただけ)

これにトースト(バターとジャム・マーマレードつき)が付いて、紅茶かコーヒーと一緒にいただきます。

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これにはベーコンとマッシュルームはないけれど、だいたいこんな感じでしょうか。写真はWikipediaより。


なかなかのボリュームでしょう?しかもこれ、朝ご飯ですよ!現代では夕食がメインという食生活になったけれど、昔は活力の源として朝食が一番大切な食事とされており、朝にたくさん食べて、昼食、夕食、とだんだん量を減らしていったのだそうで、その名残りのようです。

これを朝からいただくと、本当にお腹いっぱいになってしまって、お昼ご飯はとても食べられないし、時間に追われがちな現代人にはあまり合理的じゃないですよね。でもイギリス人はきっとこの朝ご飯が好きだったのでしょうね。だから今でも1日中食べられる食事として残ったんじゃないかなぁと思うのです。

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先週、BBCのウェブサイトに、English Breakfastに関するおもしろい記事が掲載されました。なんと頭のてっぺんにこの朝食の絵を刺青した、というのです(写真はBBCの記事より)。この刺青アーティストは4年前にアイディアを思いつき、実現させてくれる人を探して、今回19歳の青年をボランティアとして見つけたのだとか。たぶん、彼らにとってはこの刺青も、「人と違うことをしたい」というだけのことなのでしょうが、そこで誰でも知っているEnglish Breakfastを選ぶところがなんともユーモラスで、イギリス人は親しみを覚えたようです。

青年のお母さんは、こんな刺青をした息子のことをかんかんに怒っているそうですが、髪の毛生えたら見えなくなっちゃうし、許してあげてほしい!こういうムダなことをするのが、なんともイギリス人らしい気がするのですが、このお話はまた後日に譲ることにします。

ちなみに、この写真では、手前の2つが目玉焼き、右上のつぶつぶがベイクドビーンズ、上のオレンジ色のものがソーセージ、左の黒いものがベーコン、真ん中に断面が見えている黒いソーセージ状のものは、オプションとしてたまに登場するblack pudding(豚の血のソーセージ)、そして両脇がナイフとフォークのようです。うーん、この絵だとあまりおいしそうに見えませんねぇ・・・。

我が家では、この数週間に、English Breakfastを週末のお昼か夜にいただく習慣がすっかり定着しました。最初に見た時は、「トマトをフライパンで焼くの?なんでー?」と思ったものでしたが、慣れてくると、なかなかおいしいのです。アツアツのトマトは、特に冬にはぴったり。日本にいた時には自宅ではあまり使わなかったマッシュルームも、焼くだけというシンプルな食べ方をするようになってから、もともとのお味がよくわかるようになって、大好きになりました。

これはある日曜日の我が家の食卓です。この日はグリルで脂を落としながら焼いたソーセージがメインで、卵とお豆は省略。パンも、この日買ったばかりの新鮮なベーグルに変更しました。

とてもシンプルで簡単なお料理です。たまにはお家でイギリス風の朝食、いかがですか?

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by londonsmile | 2007-02-13 22:45 | イギリスの味 | Trackback | Comments(6)

元気なイギリス人の夫と翻訳者の私のロンドン生活ももうすぐ11年。20歳の時に好きになったイギリスは今も好きです。住んでみてわかったイギリスのいろいろをお伝えします。


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