ドーバーの白い壁とバノフィーパイのふるさと

両親との観光のご報告、最終回はインディー企画による海辺のドライブとカントリーサイドの穴場レストランです。

お天気の良い日曜日、ロンドンからまずは南の海辺の保養地ブライトンに向かい、そこから「ドーバーの白い壁(White Cliffs of Dover)」を目指して、海沿いの道を東に向かって気持ちよくドライブしました。
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最初に止まったのは、Eastbourneの手前のBirling Gapという小さな場所。ここからはThe Seven Sistersと名づけられた美しいドーバーの白い絶壁をよく見ることができます。この白い壁、飛行機からも見えますよね。ヨーロッパ方面からのフライトでこれが見えてくると、帰ってきたな、とほっとしたりして。「ドーバーの白い壁」として有名だけれど、実際はドーバーからは少し離れていることを今回初めて知りました。
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ここもNational Trustが管理しているそうで、この日はボーイスカウトのような格好をしたお兄さんがバンでやってきて、野鳥の絵などを車に貼り付けて、観光で来ている子供に気軽に話しかけていました。こういう風に自然に学ぶ機会があって、良いですよね。

少し移動してBeachy Headというポイントへ。ここは普段、風が強いらしく、木も風に吹かれた形に変形しています。思わず、がんばれーと声をかけたくなりますよね。
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(この時は、風、吹いていないんですよ)

さっきまでとても良いお天気だったのに。ここに着いた途端、急に雲が海の方から湧き上がってきて、あっという間に足元が白くかすんでしまいました。もちろん崖の下もかすんでしまい、海も見えません。怖いやら、美しいやら、不思議な感覚でした。周りが岩だらけだったこともあり、「箱根の大涌谷」のようなイメージでした。
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(遠くに灯台がかすんで見えます)

ここでの思い出は、崖の近くで写真を撮るインディーを父がふざけて押したこと!嬉しそうに走って逃げる父を見て、インディーは、義父というより友達みたい、と思ったのだそうです。よくわからないのだけれど、男同士の何かがあるんでしょうか。とにかく2人とも楽しそうだったので、よかったです。

この崖の反対側は、こんなにのどかな雰囲気です。母曰く、「北海道みたい」。少し離れた所には羊や牛もたくさんいたし、人里離れてなんとなく寂し気な感じが、確かに北海道の海辺のようでした。
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そんなcliffsを後にして私達が向かったのは、本当の目的地、Hungry Monk。このインディーとっておきのイギリス料理のレストランで、サンデーランチを楽しみました。
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ドーバーの白い壁とバノフィーパイのふるさと_e0114020_724610.jpg小さな村にある素朴なレストランですが、地元の食材を使って作られるお料理は、素材の味が活きていて絶品です。

まずはウェルカムドリンクとおつまみをいただきながら、ソファに座ってメニューをじっくり検討します。注文してから、またしばらく話をしていると、テーブルの用意ができました、と呼ばれ、テーブルに移動。間もなく前菜が運ばれ、メインに続きます。

地元の食材を使っているということですが、お料理もさることながら、バターがとっても濃厚で美味でした。詳しく聞いてくればよかった、とちょっと後悔したのですが、また行く口実になるので、次回のお楽しみにしておきます。

Sunday Roastという言葉があるように、日曜日はローストのお料理を家で食べるのが伝統のようですね。というわけで、私もメインはロースト・ビーフにしました。もちろん、ヨークシャープディング添えです。ビーフもしつこくなく、とてもおいしかったです。

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ちなみに、母が注文したHalibutというお魚(日本ではハリバとかオヒョウというそうですね・・・知りませんでした)もかなり美味でした。身がしっかりしていて、でも柔らかく、さっぱり塩味。回りに巻かれた生ハムとの相性もばっちりでした。

ドーバーの白い壁とバノフィーパイのふるさと_e0114020_714535.jpgデザートまではテーブルでいただきます。実はこのレストラン、バノフィー・パイ(Banoffee Pie)というデザートを最初に作ったお店と言われています。このバナナとトフィーとクリームのパイ、イギリスでは良くみかけますよね。お店の外には、「バノフィーパイ誕生の地」の表示がありました。少しスペルが違うので調べてみると、このレストランではBanoffi Pieというスペルを好んで使っているようですが、一般にはBanoffee Pieが多いということです。

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そんなこだわりのあるBanoffi Pieのお味は・・・うーん、バナナがもう少し熟れていても良い感じがしましたが、トフィーは濃厚でインパクトがあり、クリームは見た目よりずっと軽くて、パイも私好みの食感。お腹いっぱいだったのに、驚くことにぺろりといただいてしまいました。幸せー。
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デザートの後は、また席をソファに移してコーヒータイム。古いオルゴールの調べを聴きながら、またゆっくりおしゃべりです。周りの人たちも、みんなよく食べて、よくおしゃべりしていました。

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のどかな村でのんびりランチをして、忙しい毎日を忘れ、少しタイムスリップしたような気分になりました。両親もイギリスらしい食事を楽しんでくれたようで、よかった、よかった。次もまた一緒に旅行しようね。また来てね!

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Commented by lovely_morning at 2007-06-20 16:01
あはは、お父さんが崖っぷちで押したこと(笑)、インディーさんのツボにはまったみたいですね~(笑)!本当に、お友達同士みたい。お父さんもお茶目さんだなぁ。
私たちもセブンシスターズには行ったのですが(義両親連れ)、「ふーん」っていう反応でした(涙)。お天気も曇りだったし、風も強かったからかな。
そしてレストラン!雰囲気も素敵だし、お食事も。行ってみたい~。
まだ南方面はさらーっと有名どころだけしか行ってないので、次回はぜひ。メモしておきまーす(笑)。
Commented by londonsmile at 2007-06-21 15:38
>アサさん
そうなんです、ツボにはまったみたい。今でもお友達に話して喜んでます。へんなの。
セブンシスターズ、ちゃんと行ったことがなかったので、感慨深かったですー。お天気にかなり左右されそうですよね。そして風!私達が行った時はそうでもなかったけれど、あの木を見ると、かなり強くなるんでしょうね。「晴れカップル」が珍しいですねぇ。ぜひまた!
レストラン、お勧めですよ~。決しておしゃれなわけではなけれど、素朴な感じ。あら、アサさん好みかも!とても小さいところなので、予約は早めに入れることをお勧めします♪
Commented by onoz410 at 2007-06-22 00:13
南のほう、ブライトンしか行ったことないんですが、このごろ、ドーバー辺りに行ってみたいなあと思っていたところでした!
こんなイギリス満喫旅行を実現させてあげるなんて、londonsmileさん、親孝行です。インディーさんもすばらしい企画をされて、頼りになる〜♪
バノフィーパイ、絶妙な組み合わせで好きです。発祥のレストランがあったなんて。今ではデリバリーピザのメニューにもあるくらい、一般的ですよね。1972年誕生ですか…笑 食べたくなってしまいました。
Commented by londonsmile at 2007-06-22 07:25
>onozさん
ドーバーの白い壁、やっぱりイギリスらしくていいですよ~。おすすめです!お天気にかなり左右されるかもしれませんが。ブライトンもいいですよね!ゲイの町、ということを今回初めて知りましたが、「それらしく」やはりきれいな町でした。
バノフィーパイ、おいしいですよね~。確かに絶妙な組み合わせ!言えてます。Wikipediaのバノフィーパイの項目にもこのレストランのことが載っているんですよ。バナナとトフィーの造語なんですって!おもしろい。あ、私も食べたくなってきました。明日、買ってこよう♪
Commented by londonsmile at 2007-06-25 03:38
>わー、lovecarrieさん、お忙しいのにありがとうございます♪嬉しいです。ブログも更新されたようで、また楽しみにお邪魔いたします。こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願いしますね♪
言われてみれば、ほんの一部を除いて、確かに柵がありませんでした(汗)。気づかなかったわ~。母もかなり手前で止まっていましたよ(笑)。
最近のお天気、まるで梅雨みたいですよね。そろそろ太陽が恋しいです!
Commented by りす美 at 2007-09-19 22:50 x
バノフィーパイってイギリスが発祥の地だったんですね、知らなかった、、、日本で良く作りましたが、イギリスでは一度も作ってない! 作らないと行けませんね、本国で!
Commented by londonsmile at 2007-09-20 01:54
*りす美さん*
まぁ、日本で作っていらしたんですね!!すご~い!私は日本にいる時は知りませんでした(笑)。
調べてみると、100%ではないものの、このレストランが発祥の地という説が有力なようです。72年生まれとは、なかなか若いパイですね。
ぜひ本国でバノフィーパイを!
by londonsmile | 2007-06-20 07:43 | イギリスでお出かけ | Trackback | Comments(7)

londonsmile、ロンスマことラッシャー貴子です。翻訳をしています。元気な英国人夫とのロンドン生活も早いもので17年目。20歳の時に好きになったイギリスが今も大好き。英国内旅行や日々のいろいろを綴っています。お仕事の依頼や写真掲載のご連絡は非公開コメントでお願いします。無断掲載はご遠慮ください。


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