昨日の西ロンドンの大火事は世界中で話題になったようですね。
亡くなった方に心からお悔やみを申し上げ、被害に遭われた方やご家族の心身のお痛みが少しでも少なくて済むよう、心からお祈りします。
こちらは翌日になっても火事の話で持ちきりですが、時間が経つにつれて、ラマダン(イスラム教の断食)の時期だったので夜中も起きていたイスラム教の信者が住民を起こして逃げるのを手伝ったというエピソードや、燃え盛る火に勇敢に立ち向かう消防士の姿なども語られています。
そして、そうしながらも、やはり日常生活は続いていきます。
あんな大きな事故があった日に、しかも火事の現場から割と近いホーランドパークにお楽しみで出かけるのは気が引けたのですが、友達も招待してしまっているし、出かけないことでその地域がしょんぼりしてしまうのも良くないことだとイギリス風に考え、気を取り直して行ってきました。
今年の演目はこの通り。
ホーランドパークの中に夏の間2か月だけ劇場が設置されて、オペラが演奏されるのです。
子供向けの演目もあるんですよ。
この日は夏らしい良いお天気で、緑もまぶしく美しかったです。
これで夕方の6時半ぐらい。日本に比べると明るいですよね。
入り口付近の様子。
もともとある公園の設備に白いテントのようなものを張って、夏らしい劇場になっています。
チケットを確認するスタッフの人たち、もしかしてボランティアなのかなあ。
みなさん、いつもすごく感じがいいんですよ。
この日は友達3人と会場で待ち合わせだったのですが、火事もあったので時間に余裕を持って、会場に早く到着した私たち。
友達を待つ間に、劇場の周りを見てまわりました。
私が初めて行った15年ぐらい前に比べると、座席も設備全体も、どんどん良くなってきています。
料金もぐんぐん値上がりしているのですが(笑)、心地よくオペラを観るためには仕方ないのかもしれません。
最近は開演前に食事をする場所やバーもどんどん増えて、みなさん、夏のお楽しみをたっぷり満喫しているよう。
ほら、記念写真なんか撮っちゃったりして。笑
オペラ座よりもずっとカジュアルなので、夏の明るい陽射しを受けて気楽に楽しむのがホーランドパーク流です。
周りの公園で開演前にピクニックでご飯を食べたり、お酒を飲んだりしている人もたくさんいて、ちょっとしたお祭り気分。
ドレスコードがとてもカジュアルというのもホーランドパークの楽しいところ。
とてもカジュアルな服装の人の中に、ジャケットを着ている男性やドレスアップしている女性もいて、いろいろな人たちを眺めるのも楽しいのです。
この日は夏らしくて気温も高かったので、サンドレス率がとても高くて華やかでしたよ。
そうそう、設備という点では、今年驚いたのが、こちら!
すみません、お手洗いなんです。
昨年まではいかにも仮設という感じで会場の外にあったのですが、今年は敷地内に入り、しかもこんなに本格的なお手洗いになっていました。
これ、とても2ヶ月間だけとは思えませんよね?
ちゃんとお花も飾ってあったし、手を拭くペーパーもあったんですよ。
おっと、つい興奮してしまいました。笑
こういう施設の裏手を見ると、こんな風に緑がいっぱい。
さすが公園ですね。
さて、友達は来たかな。
バーでワインを買って、また入り口付近へ。
会場の目の前では、今年もクリケットをしていました。
(陽射しが強くてクリケットしている人たちは写真に写りませんでした!)
こんな風にオペラに来る人や、ただ公園を歩いている人たちを眺めるのも楽しい♪
そこに友達から、火事の影響で交通規制が厳しくなっていて車が大渋滞、という連絡が。
もし遅れたら先に席についててね、ということでした。
開演してわかったのですが、やはりこの日は火事の影響で遅れた人が多かったのです。
なんと演奏が始まってから入ってきたオーケストラのメンバーもいたんですよ。
友達3人組も結局開演に間に合わなかったのですが、席がかなり真ん中の方だったので上演中に案内できないということで、舞台脇に椅子を用意してくれたそうです。
ほっ、良かった。
この日は特別だったとは思いますが、それにしても遅れても親切な計らいをしてくれることがわかって、この会場がさらに好きになりました。
そして開演の前には、この日起きたご近所での大惨事のために黙祷を捧げましょうという提案がありました。
全員でしばし沈黙して、少し心が静まったところで、さあ、開演です。
この日はモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』でした。
ホーランドパークのオペラではモダンな設定にすることが多いのですが、この日もやはり1930年代ぐらいの大きな船の上、というセッティング。
私は基本的にはオペラが書かれた時代の設定でドレスを着た人たちが歌うのを見るのが好きなのですが、この日の設定は私も好きな時代だったし、特にその時代の美しく磨かれた家具や女性のカラフルなお洋服がきれいで、とても楽しめました。
歌そのものよりビジュアルを楽しんだと言ってもいいくらいです。笑
ホーランドパークでは若手を起用することが多いからか、野外で歌うから響き具合が良くないのか、歌声自体はオペラ座に比べるとどうしても迫力に欠ける気がしてしまいます。
でもお芝居はまったく問題なく、特に幽霊としてよみがえって、有名な♪ドン・ジョバ〜〜ンニ〜♪の部分を歌ったバスのグレアム・ブロードベントは迫力満点の演技でした。
この日いちばん歌声が好きだったのは、ドンナ・エルヴィーラ役のヴィクトリア・シモンズさん(ソプラノ)。
声と響きのバランスが良くて、コケティッシュな演技もかわいらしく、さらに着ていたお洋服もかわいかったのです。
後半は友達3人も並んで一緒に鑑賞できて、めでたし、めでたし。
あまりオペラが得意じゃないと言っている友達の一人が、「これは楽しかった!」と喜んだ作品でした。
終演の10時半近くになると、さすがに暗くなります。
ちなみにロンドンよりずっと北のエジンバラでは、11時過ぎでもまだぼんやり明るい感じだったのです。
地球って不思議ですね。
最近なにかと嬉しくない話題の多いロンドンですが、できるだけ良いこと、楽しいことに目を向けて過ごしていきたいと思います。
あ、そうそう、昨日はこの前テロのあったロンドン・ブリッジ近くの食料品の市場ボロー・マーケットが営業再開しました。
ハリー王子が訪問したり、マーケットを応援しようとする人たちでにぎわったりして、盛り上がっているようです。
いいこともありますよね!
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