さて今回はいよいよフェスティバルに潜入しますよ!
当日、バーンズの町を歩いても、大々的なフェスティバルの表示も宣伝もありませんでした。
町内のお店に小さめのポスターが貼ってあるだけ。
町に個人の本屋さんがあること自体、ロンドンでも珍しくなってきていますが、バーンズには小さな本屋さんもあって、そこではフェスティバルの当日券を売っていました。
でも個人がもらえるパンフレットのようなものは特になく、ポスターと同じ柄のポストカードをもらっただけ。
まだ第一回なので、今回成功すれば、今後はパンフレットを作ったり、大きな看板出したりするようになるかもしれませんね。
当日の情報はあまりないので、プログラムに参加するには、事前にサイトで内容をよく見ておく必要があります。
前日にざっと見てみたところ、会場は町の教会や学校など6カ所にで、3歳以上対象から11歳以上対象のものまで全部で21のプログラム/ワークショップがありました。
内容は読み聞かせ、作家さんのワークショップ(物語の作り方とか絵の描き方とか)、劇のようなもの、15歳の作家の女の子のインタビューなど。
ちなみに開催日は土曜日1日だけでした。
(会場のひとつになっていた教会)
今思えば何かのプログラムに参加してみれば良かったのですが、様子がよくわからなかったのでどれにも参加せず・・・ちょっと後悔しています。
実際に行ってみたら、大人が参加しても全然問題なさそうな雰囲気だったので、来年は何か参加してみたいです!
15歳の作家の女の子のお話なんて聞いてみたいですよね。
いくつかの会場で様子を見たところ、作家さんのサインをもらうために本を持った子供達が嬉しそうに行列したりしていて、かなり賑わっていましたよ。
実際に券が売り切れのプログラムもあったようで、外から見た静けさとは裏腹に、会場内はなかなかの盛り上がりでした。
読書離れとはいうものの、やっぱり本を読んでいる子もいるんだなーと安心したりして。
今回調べて知ったのですが、イギリスでは子供の本(絵本よりも、もうちょっと年上対象の本)もずいぶん電子書籍になっているようです。
紙の本ではなくて電子書籍を読んで育つ子供たち、私たちと何か違ってくるのかな。
興味津々です。
こちらも会場のひとつ。
私なら、こんなかわいらしい建物に入っていくことだけでウキウキしちゃいそう(笑)。
プログラムには参加しなかったと言いましたが、実はひとつだけ、予約していたものがありました。
それは映画!
ビクトリア時代の終わりに建てられたこの映画館が会場です。
もともと劇場兼映画館だったこの建物、60年代からはオリンピック・スタジオという名前で録音スタジオとして使われていました。
ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ジミー・ヘンドリックス、マドンナ、U2もレコーディングしたという有名なスタジオだったんですよ。
今はまた映画館になっていますが、館内に会員専用のクラブもあったりして洗練された雰囲気です。
おっと、また町の案内になってしまいました!
見逃していたのでちょうどよかったと思って。
だって子供の頃からムーミンが大好きなんですもん。
ヨーロッパでは案外ムーミンは知られていないのですが、事情に詳しい友人情報では最近ずいぶん売り込んでいるそうで(笑)、ロンドンでも北欧のお店を中心にグッズなんかも見られるようになりました。
それでもムーミンに全く馴染みのないインディーさんは、「子供の映画でしょ〜」とぶつぶつ言っていましたが!
もちろん、一緒に来なくてもいいよ、と言ったのですが、結局着いて来たので、だったら黙って観ていただきます。笑
(手前は本屋さんでもらったフェスティバルのポストカード。かわいいですよね♪)
赤で統一された館内もすてきでしょ。
全体にゆったりしたスペースで、肘掛けのない2人席があったり、全部の席に小さなテーブルが付いていたり、と、とても気持ちのよい映画館なんです。
肝心の映画はというと、ムーミンファンの私は懐かしくて気持ちが盛り上がり、ニヤニヤしっぱなしでしたが、映画としてはやっぱり子供向けなのかなあという感じ。
といっても、子供にわかるのかしらと思うような細かいエピソードや表現もあるちょっと大人びた子供映画なので、そこが「文学フェスティバル」で上映される理由なのかもしれません。
日本で放送されていたアニメのムーミンはまったくの子供向けだったと思いますが、子供の頃、私はムーミンのコミックも持っていて、そちらはかなり風刺的というかシニカルな内容だったんです。
今調べてみたところ、たぶん
こういう本で、私が持っていた本とこれが同じだとすると、ロンドンの新聞に連載されていたものだそう。
だからなのか、「テレビなんて低俗だ!」というセリフがあったりして、子供心に驚いたものでした。
「ていぞくってナニ?」と父に聞いたり、どうしてテレビが「ていぞく」なのかと考えたり、本以外の場所でも情報収集(笑)に忙しかったことを覚えています。
そしてこの映画は、アニメのムーミンとコミックのムーミンが混ざっている気がしました。