The Best Exotic Marigold Hotel
2012年 03月 07日
インディーが人ごみ嫌いなので、わが家ではあまり映画館に行かないのですが、これは「インディーが大好きなインドに行くお話だよー」と説得に成功しました(笑)。
インディーは子供の頃からインドが好きだったそうで、私も2007年にインディーと一緒に旅行して以来、インドがますます気になっています。
予告編にもあるとおり、お互いに知らないイギリス人の7人(1組は夫婦)が、引退後インドのホテル(ある意味、老人ホームのような感じ)で生活することになり、それぞれに抱えた人生が見え隠れして・・・というストーリーですが、イギリス流ジョーク、分別ある年配のイギリス人と大きな希望にあふれるインドの若者との対比と温かい交流、明るくてまぶしい太陽、強気で陽気なインド人とカラフルな服装、というすてきなスパイスがあちこちに散りばめられて、楽しいお話になっていました。
それぞれの登場人物を中途半端にならずに描いているので、見終わった後にはすっきりして、あたたかい希望が残るようなお話。
宣伝では「コメディ」の部分がやや強調されていますが、愉快な部分もたくさんあるものの、それ以上に深い映画だったと思います。
個人的には熟年俳優陣の好演も見どころでした。
私はおばあちゃん子だったせいか、今でもお年寄りのお話を聞いたりするのが好き。
そのせいか、いろいろな人生を背負った年配のイギリス人たちの言動はとっても興味深かったです。
大好きなジュディ・デンチが年を重ねてますます輝いていて嬉しかったことと、大御所マギー・スミスやビル・ナイがいつもとちょっと違う役どころをさらっとすてきに演じていたことも、とても印象に残りました。
年を重ねても、新しいことに挑戦できるってすばらしいですよね。
『スラムドッグ$ミリオネア』で大ブレークして注目のデヴ・パテルくんも、インドの若者を好演。
落ち着いているベテラン俳優と対照的な若々しい演技が、映画に明るさを与えていました。
そしてもちろん、この映画はインドという国の魅力なくしては語れません。
成熟したイギリスという国と、以前はその植民地で、今では世界でもトップレベルの成長を続けるインドという対比も興味深いし、インドの人達自身もとても魅力的。
インド人の話す英語のアクセント(訛り)はどことなくユーモラスで、それだけで楽しい気分になりますが、実はボキャブラリーが豊富な人が多く、文法も正しかったりするので、訛りとの差でさらにおもしろく感じるのです。
発言がポジティブで、やや押しの強い感じも、私自身が経験したインド人像と重なって、映画を見ながら何度もニヤニヤしてしまいました。
家族のつながりが深いことや、道を歩くと子供達が着いてきちゃうこと、大学を出た若者の大いなる野心なんかも、インドの雰囲気がよく出ていたと思います。
ただ海外に住むようになってから、こういうのって実際にインドの人の目にはどういう風に写るのだろうと気になるようになってきました。
例えば、日本で撮影された映画で、「いつもお寿司を食べて、お辞儀をしている日本人」だけを取り上げられたら、「ちょっと違うな」と思っちゃいますよね。
私が経験したことと重なると言っても、インドには一度行っただけだし。
なので、インド人の人がどう思ったか、是非聞いてみたいなーと思います。
マリーゴールドは、インドでよく見かける花。
ヒンズー教の神様や、仏様の前にもよくお供えされていました。
まぶしい太陽の下で見るオレンジの花はとても鮮やかで美しく、鮮明に目に焼き付いています。
その花をタイトルに使ったのも、センスがいいなあと思いました。
久々に映画館に行ったからか、ちょっと興奮しちゃいました(笑)。
でも、この映画、オススメです!
日本ではまだ公開されていないのかな。
公開をお楽しみに♪
イギリスの方、ぜひ映画館へGO!