サモサでサラバ♪

モニカとは、私がロンドンに来たばかりでほとんど友達もいなかった頃に知り合いました。
ちょうど彼女も同じ頃に学生としてインドからやってきたばかりだったようです。
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モニカは、わが家の最寄り駅にできた小さなコーヒースタンドでアルバイトしていました。
それまで店番をしていた他のアルバイトの子とは違って、興味津々という顔でお店の中から体を乗り出すようにキョロキョロといつも外を見ていた彼女。
お客さんにも感じよく話しかけたり、常連さんの飲み物を覚えたりして、じわじわと人気が出ていたみたいです。

もちろん私にも親しく話してかけてくれて、同じアジア圏出身ということでおしゃべりが弾むようになりました。
ずっと申請していたイギリスの学生ビザが、初めての出産直後にやっと許可になったので、意を決して息子くんをご両親に預け、だんなさまと2人でイギリスにやってきた、とさらっと話す彼女。
生まれたばかりの初めての子供を置いてくるなんて、本当に辛かっただろうに、なんてがんばり屋さん!

だんなさまが甘党と聞いたので、ケーキ作りの練習で家の中で大量にあったケーキを食べてもらったり、たまにコーヒーをタダでもらっちゃったり(オーナーさん、ごめんなさい!)、モニカの学生ビザがなかなか更新されなかった時は一緒にドキドキしちゃったり、私の永住ビザに必要な筆記テストの朝には電車に乗る前にコーヒースタンドで「大丈夫、大丈夫」と励まされて会場に向かったり。

お互いの家も何度か行き来して、本場のカレーも作ってもらいました。
チャパティという薄いパンを作るところも見せてもらって楽しかったなー。

そのモニカ、とうとうビザが切れるのでインドに帰ることになり、先日、彼女の家に最後に遊びに行ってきました。

彼女の家があるのは、インドやパキスタン、バングラデシュなどの人が多く、どこかのアジアの国にいるんじゃないかと錯覚するような東ロンドンのディープな地域。
ここを1人で堂々と歩けるようになったのも、モニカのおかげです(笑)。

インドに帰国する5日前だというのにまだアルバイトしていた働き者の彼女と駅で待ち合わせすると、「今日はお料理する時間がなかったから、おいしいお店でサモサを買ってあげる」と、わざわざ家と反対の方向にあるお店で買い物をしてくれました。

それが最初の写真のサモサです。
「カレー味のポテトコロッケをパン粉じゃなくて春巻きの皮で巻いて揚げた」ような感じで、私の大好きなスナック。
これにお砂糖入りの濃いミルクティーが合うんです♪

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(モニカのお家は家主さんもシーク系のインド人。
お家の中全体も、なんとなくカレーの香りが漂います。
冷蔵庫のマグネットが珍しくてついこんな写真を撮っちゃったけど、バチがあたっちゃうかな(汗)。)

この日の話題は、やはりモニカが帰国してからのこと。
しっかり者の彼女は、インドと比べて物価が高過ぎるイギリスに住むのはもうあきらめて、すでにカナダ永住の申請をしているそう。
「息子の教育のためにも、その方がいい」
そうだった、彼女はお母さんだった!
約5年の滞在中、一度しかインドに帰らず、ということは一度しか息子くんに会えなかった彼女。
ご家族が愛情たっぷりに育てているとはいえ、このがんばりパワーはどこからわいてくるのかと思うと、まだ若い彼女の顔がとてもまぶしく見えました。

「イギリスで5年暮らした私が、インドでどう受け入れられるかわからない」と言っていたモニカ。
彼女の髪は、最初に会った時にはとても長かったのに、それから少しずつ短くなって、ついに今ではショートになっています。
インド人女性といえばみんな本当に髪が長いので、彼女のショートヘアをご家族がどう思うかな?とは最後まで聞けませんでした。
でも私が想像しているよりモニカの家族は西洋文化を受け入れているのかもしれないし、しっかり者の彼女は周りと上手にやりながら、たくましく生きて行くと思うのです。

どこにいても変化や別れはつきものですが、日本を離れて外国人の出入りの激しいロンドンにいると、つい別れに敏感になってしまいます。
今の時代、メールで簡単に連絡することができるんだけれど、会えなくなるのはやっぱり寂しいな。

いつもはハグなんてしないアジア出身の私達、最後はかたく熱くハグしてお別れしました。
お互いいろんなことを経験して、もっともっと楽しくなって、いつか世界のどこかで会えますように。
その時は、今度教えてくれるって言ってたサリーの着方、教えてね。

別れのサモサは、せつなかったけど、いつもに増しておいしく感じられました。
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Commented by toddlon at 2011-09-14 01:06 x
ろんすまさん、そんな温かい交流があったんだね。素敵なお話。いろんな人がいるロンドンという街がますます魅力的に思えるお話だな。
Commented by londonsmile at 2011-09-15 00:29
*toddlonさん*
これ、toddlonさんを見送ってからわりとすぐだったので、ちょっとこたえたわー。
toddlonさんには確実にまた会える気がするけど、モニかはどうかなあ。
そんなこと考えるとキリがないので、今、できるうちに、目の前のことをしなくては!と思うのでした。
刺激が多いロンドンに学ぶことは多いね。日本にいたら、こういう風にはならなかった気がするわ。
by londonsmile | 2011-09-14 00:52 | ロンドン生活 | Trackback | Comments(2)

londonsmile、ロンスマことラッシャー貴子です。翻訳をしています。元気な英国人夫とのロンドン生活も早いもので12年目。20歳の時に好きになったイギリスが今も大好き。英国内旅行や日々のいろいろを綴っています。お仕事の依頼やご連絡は、非公開コメントでお願いします。


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