わが家のコンサートシーズン、始まりました

前回前々回で、紅葉した葉っぱもずいぶん散ってしまったので、これからは寒い季節のお楽しみを見つけないと、と書きました。

暗くて寒い季節のお楽しみの一つにオペラやコンサートがあります。
オペラなんかはこれから本格的な「シーズン」だし、コンサートも増えますよね。

今日は早速行ってきたコンサート2つをご紹介します。
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最初は、ウェストミンスターのセントジョンズ、スミス・スクエア(St. John's, Smith Square)で開かれたフジ子・ヘミング(Ingrid Fuzjko Hemming)のピアノコンサート。
日本でも大人気のピアニストですよね。
前に日本で演奏会に行ってとても良かったので、今回もとても楽しみにしていました。

お招きいただいたお友達夫妻とインディーと4人で、まずはコンサート会場のレストランで軽くディナー。
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教会の地下という感じの、ちょっと雰囲気のある場所でした。
お味も、思っていたより(失礼!笑)おいしかったです♪
この会場の近くには、あまりお店がないので、ここに行く時はおすすめです。
ただし、開演近くになるととても混むので、ぜひお早めに。

到着した時点でもう外が暗かったので、よくは見えなかったのですが、1728年に建てられたという教会のような建物自体も美しそうだったので、今度昼間に行って、じっくり見学してこようと思います。

そして会場へ。
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天井が高くて、気持ちがよい場所でした。

小さい会場ですが、音響が良くて人気だそう。
この日は外が暗かったのでステージの奥はカーテンがかかっていましたが、他の写真を見ると、ここは大きな窓になっているようです。
大きな窓から自然光が入るステージのコンサートなんて、すてきでしょうね。

さて肝心のコンサート、すばらしかったです♪
前回はフジ子さんの十八番、リストの「ラ・カンパニュラ」に熱い情熱を感じて、鳥肌が立つほど感動したのですが、今回は他にも聞き覚えのある曲がたくさん演奏されたので、さらに楽しめました。

彼女はきっと、はっきりした曲よりも、幻想的な曲がお得意なんでしょうね。
そういう曲がたくさん入っていて、芸術的な美しい雰囲気にどっぷり浸れました。
ピアノの音もとてもきれいでした♪

今、これを書くためにちょっと調べてみたら、なんと現在77歳!
とてもそんな風には思えない情熱的な演奏でした。
そしてその情熱とは裏腹に、顔の表情がずっと冷静なのが深く印象に残りました。

お父様がロシア系スウェーデン人という生い立ち、若くして才能を認められながら国籍がなくて難民として留学して苦労した経歴、一時聴力を失ったこと、などなど、何かとユニークなフジ子さん。
衣装も個性的で、たぶん着物の生地を使ったドレスで登場。
フジ子さん自身からも演奏からも、強い個性をばしばし感じたコンサートでした。

*********

そして2つめのコンサートは、パンクなヴァイオリニストとして知られるナイジェル・ケネディー(Nigel Kennedy)の「ヴィヴァルディの四季」。
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会場はロイヤルアルバートホールで、こちらもお友達とインディーと3人で行ってきました。
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ナイジェル・ケネディーはイギリス人のヴァイオリニストで、才能あることはもちろん、パンクファッションや平服で舞台に上がることでも有名です。
この日も彼は「フランスの画家」みたいなシンプルな衣装で登場。
ちょっと見たら、その辺のどこにでもいそうなお兄さんでした(笑)。

が、演奏が始まると、とってもユニークだったんです!
まず指揮者はいなくて、彼が呼吸で室内楽団に合図して曲を始めます。
前半はバロック風な小作品をたくさん演奏したのですが、盛り上がる部分にやってくると、足をドンドン踏みならして拍子をとったり、気分が乗ってきたのか、曲の途中で「イェイ!」と叫んだり(笑)。
それも本当に楽しそうで嫌みがなく、演奏するのが楽しいんだなーということがひしひしと伝わってくるので、こちらもつい微笑んでしまうのです。
さらに若い楽団員のソリストを1人1人丁寧に紹介する様子からも、彼のお人柄が感じられました。

実はこの日ロンドンでは地下鉄のストをしていて、遅れているお客さんが多かったので、開演時間を15分遅らせ、途中でも曲の合間などに遅れてきたお客さんを入れるという粋な計らいがありました。
その上ナイジェルは、曲の合間に入って来るお客さんに「Welcome! (ようこそ!)」と挨拶したり、舞台近くの席についた人とはハグの挨拶をしたり、と大サービス(笑)。
会場全体が、彼の魅力の虜になってしまいました。

彼のユニークさ、人なつこさは観客にも伝染するのか、普通、楽章の間には拍手はしないものですが、このコンサートでは1つ楽章が終わる度に大拍手!
観客もリラックスして楽しんでいたんだと思います。

前半だけでも1時間以上続いたので、20分の幕間の後の「四季」、ちゃんと最後まで終わるのかなーと思っていたら・・・ぜーんぶ演奏しました!
しかも途中で客席から声をかけた人のリクエストに応じて、「秋」の途中にジプシー音楽っぽい楽しい曲も演奏したんですよ。

なんだか音楽じゃない話ばかりしてしまいましたが、音楽も美しかったです♪
見た目が平服だけど、しっかりきっちりバロック音楽。
(ちなみに楽団員の方たちはちゃんと正装でした・笑)。
「四季」では、たとえば手のひらで何かを叩いてリズムを取るなんていう独自のアレンジもところどころ取り入れられていて新鮮でした。

ただ、小作品をたくさん演奏した前半、「四季」を全楽章演奏した後半が終わった時点で、すでに10時50分!
もちろん、これからアンコールをすることはわかっていたけれど、インディーは仕事の都合で早起きなので、アンコールが始まる前に泣く泣く帰ってきました。
後で聞いたところでは、11時半になってもナイジェルはまだノリノリで演奏していたとか。
盛り上がったんでしょうねぇ、彼も、観客も。
最後まで見たかったなー。

伝説のロック・ギターリスト、ジミ・ヘンドリックスにも影響を受けていて、先日のメモリアルコンサートでも演奏したというナイジェル。
最近ではポーランド人の奥様の影響もあってか、ポーランド音楽にも影響を受けているそうです。

今後の活躍が益々楽しみな彼のコンサート、次に機会があったら、是非また行ってみたいです♪

************
わが家の今年のコンサートシーズンは、こんな個性派演奏家2人のすばらしいコンサートで幕開けとなりました。
どちらも才能があることはもちろんですが、個性を上手に活かしていることに感動。
芸術家ではないけれど、私も少しぐらいは見習って自分らしさを活かせていけたらいいな、と心強く思えた2つのコンサートでした。
音楽って音だけじゃないんですね〜!

これからのコンサートも楽しみです。
暗くて寒い季節も、こわくないぞ!
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Commented by Saori at 2010-11-12 18:19 x
夜の時間が段々長くなってくるとこうやって楽しめる事がたくさんあるロンドンってやっぱりすごいなーって思います^^
でもって大人がちゃんと楽しめる場がたくさんあるよね。
ロンスマちゃんの冬のコンサートの記録毎回とても楽しみにしてます♪
次回はどんなものを観に、聴きに行くのかな?^^
Commented by ニコニコ at 2010-11-13 09:20 x
素敵な時間を夫婦で共有できて、素晴らしいですね!
イギリスの冬は長くて暗くてをあまり好きではない人が多いですが、ロンスマさんたちのように音楽鑑賞やオペラなどに行って、気分転換するって大事ですよね!
ロンスマさんの記事を読んで、フジコ・ヘミングさん、Nigel Kennedyさんの音楽を聴きに行きたくなりました。
またコンサートことを聞かせてください☆
Commented by トミミン at 2010-11-13 21:08 x
これからの季節のオペラやコンサート、素敵ですね!
わたしもフジコ・ヘミングさんが好きというか、テレビで観てから興味がありました。
テレビで聴いた「ラ・カンパニュラ」 素晴らしかったです!
だから、きっと、生で聴く「ラ・カンパニュラ」は鳥肌ものでしょうね~。

ナイジェル・ケネディーさんは知りませんでした。
でもロンスマさんの記事で、すごく面白そう~って思いました。
わたし、ミーハーかもしれないんですが、ロビー・ウィリアムスが大好きで、彼がロイヤルアルバートホールでコンサートをやったんで、なんだか、ロイヤルアルバートホールって聞くと、感慨深いものがあります。
いつか、彼のコンサートに行ってみたい、、、やっぱりミーハーかなぁ?
Commented by londonsmile at 2010-11-14 05:45
*Saoriちゃん*
そうね、日本だと若者の楽しみに集中しがちだけど、こちらは大人も楽しめるものが多いよね。
私も「大人」になってきたので(年齢はね!笑)ここに住んでてよかったと思うようになりました。
コンサート、だいたいお友達に誘ってもらうか、インディーが決めてるかで、実は私はあまりタッチしてないんだけど(汗)、毎回、生の音楽はいいなーと感動してます。
Commented by londonsmile at 2010-11-14 05:53
*ニコニコさん*
ほんと、こちらは冬は暗くなるのが早いから、楽しいことを見つけないと気が滅入っちゃうんでしょうね。
クリスマスも楽しみだけど、こういう楽しみもいいですよね。
このお2人、とっても個性的でしたが、それだけに見応え、聴き応えたっぷりでしたよ♪
機会があったら、またコンサートのこと書きますね。
Commented by londonsmile at 2010-11-14 05:57
*トミミンさん*
フジ子・ヘミング、日本でも大人気で、確かドラマもやってましたよね?
とても存在感のある方でした。
ナイジェル・ケネディーもよかったですよ。
日本でもコンサートやってるんじゃないかな?
トミミンさんはロビー・ウィリアムがお好きなんですね♪
ミーハーじゃないですよー。
確か最近、Take5が再結成されてましたよね。
またコンサートもたくさんするといいですね。
ロイヤルアルバートホール、とってもすてきな会場ですよ。
いつかロンドンにいらっしゃる時にはぜひいらしてみてくださいね。
Commented by きなこ at 2010-11-14 08:04 x
ロンドンは、オペラもコンサートもハイクオリティーなものがたくさん聴けていいですね~~♪
フジ子・ヘミングさん、スウェーデンではあまり知られていないんですが、日本ではすごい人気。
東京にいたときに仕事がらみでチケットを頂いて、一度だけコンサートに行きました。
おひとりのリサイタルではなくて、オケとの共演だったと思います(ちょっと記憶が曖昧)。
大人気だったので期待して行ったのですが、その時は私の心には響いて来ず、ちょっと残念でした。
その時たまたまだったのかもしれません。
また機会があれば聴いてみたいです。
でも、もう77歳なのですか~~~(@_@;)

ナイジェル・ケネディーのコンサート、楽しそうですね~。
CDで聴くのと違って、コンサートは演奏者と観客との一期一会。
双方によって作り出されるエキストラなものあがあるからこそ
コンサートに行く醍醐味があるってものですよね~。
こんな120%なコンサート、行ってみたいです~♪
Commented by londonsmile at 2010-11-14 19:46
*きなこさん*
ロンドンに来てから、ここってすごかったんだ、と気づきました(笑)。
オペラもコンサートもいいですよね。
フジ子・ヘミングさん、スウェーデンではあまり知られてないんですねー。知らなかった!
日本では生い立ちのドラマもやっちゃったりして大人気ですよね。
私も東京でのコンサートはオーケストラと一緒だったと思いますが、今回の方がしっとりした感じで好きでした。
でも実はお得意のラ・カンパニュラ自体は、前回の方が感動したんです。
それぞれの好みもありますし、その時の体調もありますしね。
でも77歳であれだけ長いコンサートを開けるのはすごいことだと思います!

ナイジェル・ケネディーも、保守的な方はいろいろご意見があると思いますが、私にはとってもいい感じで、その日のハプニングを含め、いろんな意味で音楽を楽しめた良いコンサートでしたよ。
いずれにしてもユニークなので、一度は生でご覧になる価値あると思います♪
by londonsmile | 2010-11-11 04:53 | ロンドン生活 | Trackback | Comments(8)

翻訳をしているラッシャー貴子です。元気な英国人夫とのロンドン生活もはや12年目。20歳の時に好きになったイギリスが今も大好き。英国内旅行や日々のいろいろを綴っています。お仕事の依頼やご連絡は、とりあえず非公開コメントでいただけると嬉しいです。


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